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反町日本に自力の五輪切符が復活

U22日本代表選手は、21日のサウジアラビア戦に向け早速練習を開始した
U22日本代表選手は、21日のサウジアラビア戦に向け早速練習を開始した

 オシム監督のお見舞いには五輪切符を携えて行く。北京五輪アジア最終予選でベトナムに快勝したU-22(22歳以下)日本代表が18日に帰国。21日の最終サウジアラビア戦へ向けて都内で調整を開始した。首位だったカタールの敗戦で自力Vも復活し、サウジ戦で引き分け以上なら五輪出場が決まる。反町康治監督(43)は病に倒れた日本代表オシム監督の容体を気に掛けながらも、五輪出場権獲得まで面会を「封印」する構えを見せた。

 オシムさんが自分の立場なら、きっとそうしたに違いない-。4大会連続の五輪切符を確実につかむため、反町監督は心を鬼にした。ベトナム遠征から帰国すると即座に都内の代表宿舎へ移動。午後6時から練習を指揮した。「私はこのチームの責任者を全うしなければならない。そういう気持ちを今は封印して、勝つことだけを考えたい」。尊敬するオシム監督の容体が気にならないはずはない。それでも成田空港から移動の中途にある入院先には立ち寄らなかった。

 アウエーでの4得点快勝に浮かれていられない。ベトナムからの帰路「いち早く知ることで、次のプランを考えられる」とチャーター機の備え付けの電話で、サウジアラビア-カタール戦を視察していた井原コーチと連絡を取り合った。「サウジ逆転勝ち」の一報を選手たちに伝えると、機内中が興奮に包まれた。カタールの予選敗退決定で、サウジ戦で引き分け以上なら五輪出場が決まることになった。調整が難航していた最終戦同時刻開催の必要もない。「多くのお客さんにも来てもらえるだろうし、集中して戦う条件になった」と満足げにうなずいた。

 この日の練習前に、あらためてサウジ戦のメンバー22人を発表した。ベトナム戦で出場停止だったFW森島を追加招集しただけで、大幅に入れ替えなかった。「今の流れがいい方向に来ているので、大事にしたかった。引き分けは意識しない。(サウジとの一騎打ちも)望むところ」。重圧とオシム監督への思いを抱えながらアウエー戦を乗り切った、このチームで北京行きを決める。病床のオシム監督に向けた、反町監督の決意表明だった。【山下健二郎】

[2007年11月19日9時34分 紙面から]

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