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岡田監督ふがいない控え組にカミナリ
- 後半開始前に選手に指示を出した岡田監督は足早にベンチに戻る
岡田武史監督(51)が、「第2次政権」発足後初めてカミナリを落とした。日本代表はチリ戦(0―0)から一夜明けた27日、都内で筑波大と練習試合(30分×2本)を行い、2―1の辛勝に終わった。奮起を期待した控え組が開始2分で失点するなど、ふがいない戦いに終始。同監督は「(2月6日のW杯アジア3次予選)タイ戦に向けた選考だ」と気合を入れたが、後半も不発だった。試合後は就任後初めて取材を拒否、怒りをにじませた。
1本目が終わった後、岡田監督は選手をピッチ中央に呼び寄せると、厳しい一言を投げかけた。
岡田監督 調整の意味でやってるんじゃない。6日のW杯予選をしっかり戦うためにやってほしい。この試合は選考なんだ。
開始2分で就任後の対外試合6戦目にして初の失点を許し、怒りのスイッチが入った。パスミスからピンチを招き、DF岩政がペナルティーエリア内でFWを倒してPKを献上。選手間の声が足りなく、相手ダブルボランチをカバーできず、中盤を制された。攻めは単調で、2列目からの飛び出しも少ない。FW前田は「メリハリがなかった。もっと声を出していかないと」と反省した。
ハーフタイムの「カミナリ」の後も、全体の動きは変わらなかった。「こういう試合は個々がアピールしたい。修正もしたいけど難しかった」とDF岩政が言うように、選手に迷いが生じた。DFラインがズルズル下がり、同監督は「何であんなに下がってるの?」と首をかしげた。その後はロダンの彫刻「考える人」のように右手をほおに当て口を固く結んだ。
10年前の第1次政権時は、選手との間に壁をつくり厳しく接した。今回は合宿で選手と風呂に入るなど余裕を見せていた。チリ戦後の夕食時には「ミスが多かったので減らすように」と、修正のヒントも与えていた。だが、この日はチャンスを与えても、ふがいないプレーに終始した選手に対し、素直に怒りをぶつけた。控え組の充実が代表全体の底上げにつながるだけに、落胆は隠せなかった。
「話すことはないっすよー」。報道陣を振り切った同監督の目はつり上がっていた。30日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦、そしてタイ戦に向け、緊張が一気に高まった。【村上幸将】
[2008年1月28日9時37分 紙面から]
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