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タイ主力２人出場停止に監督ブチ切れた

一礼して会見を終えるタイ代表チャンウィット監督（撮影・蔦林史峰）

　タイ代表が戦わずして、大混乱に陥った。試合前日のマネジャーズミーティング。登録選手を確認する段階になって「ＤＦスリーとＭＦダサコーンは、２次予選最終戦で累積警告２枚目を受けており、３次予選初戦は出場停止ではないか」という質問が日本側から出た。アジアサッカー連盟（ＡＦＣ）も規定通り出場停止であることを確認。タイはルール誤認により、主力２選手を失った。

　スリーはマンチェスターＣに所属する右サイドバック、ダサコーンは不動のトップ下。いわゆる「欧州組」と司令塔が不在になる。指揮官は納得がいかずに、会見で吐き捨てた。

　チャンウィット監督　１カ月前に選手登録のリストを出してＦＩＦＡもＡＦＣも何も言わなかったから、選手を連れてきている。日本は１次、２次予選がないのだから我々には不利だ。みなさん公平だと思いますか？　これはサッカーなのか、政治なのか…

　手続きの段階でＡＦＣ側と行き違いがあった可能性があるにせよ、累積警告は次の予選に持ち越すことが通常なだけに認識不足とも言える。マンＣのＤＦキアトプラウットも親知らずの痛みで欠場という中、さらなる打撃を受けた。

　そんな混乱のチームを救うのは「国技」かもしれない。ダサコーンに代わり出場濃厚のＭＦスチャオは元ムエタイ選手。１５歳まで現役選手で地元では有名だったという。「減量が大変で引退した。得意技はヒザ蹴りだったけどね。日本はいいチームだし楽しみたい」。迷走するチームの中で、１人陽気に話していた。【広重竜太郎】

［2008年2月6日9時33分　紙面から］

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