山形の守備が決壊した。日本代表FW宇佐美1人にやられた。後半5分、左足で振り抜かれ先制点を許すと、その後の12分間で3失点し前節の広島FW佐藤寿人に続き、2試合連続でハットトリックを献上。3戦ぶりに先発したMF宮阪は「1点とられて前がかりになっていて、プレスが薄くなっていた」と失点シーンを振り返った。相手より2本多い18本のシュートを浴びせ、30分にMFボムヨンからのクロスをFWディエゴが合わせて1点もぎとったが、6試合連続で勝利から見放された。

 万全な状態で最終節に臨めなかった。20日の広島遠征後にチーム内で頭痛・腹痛がまん延。石崎信弘監督(57)は「病人がたくさん出て、出られるか分からない状況」と話した。危機察知能力にたけ相手のパスを寸断するMF松岡が体調不良で先発落ちしたのも痛かった。

 3勝5分け9敗の16位で第1ステージを終えた。石崎監督は「リーグ、ナビスコで23試合やって、勇気を持って前からいくゲームができた。(攻撃面は)決められるところで決めないと」と前半戦を総括した。体調不良で前日練習を回避するも、この日先発したGK山岸は「(第2ステージまでの)2週間で実りある時間を過ごさないと」と前を向いた。7月11日横浜戦。山形の逆襲が始まる。【高橋洋平】