浦和の橋本光夫社長(60)が16日、異例の「大号令」を発した。17日の新潟戦(東北電ス)を前に、さいたま市内のクラブハウスを訪れ、チームのミーティングに出席。来季アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得を目標として設定し、フィンケ監督のもとで今季から取り組む改革路線を来季も継続する方針を直接伝えた。ほぼ同じ内容を全職員にメール配信し、クラブの公式ホームページにも掲載した。

 現在リーグ8位と苦戦が続く状況に、橋本社長が自らチームの尻をたたいた。この日の練習前、普段はコーチ陣と選手だけで行われるミーティングの会場に、強化担当者や下部組織のスタッフを含む総勢約50人を呼び寄せ「Jリーグも残り6試合。伝統ある浦和のユニホームを着て戦うプライドを持ち、ACLを目指して頑張ろう」と直接伝えた。4月の社長就任以来初めて具体的な目標を口にし、ラストスパートを促した。

 シーズン終盤に異例の大号令を発したのには、理由がある。夏場の7連敗から立ち直りかけていた11日、天皇杯2回戦で4部に相当する北信越リーグの松本山雅に0-2で完封負け。Jの面目をつぶす失態に、サポーターからも厳しいブーイングを浴びた。新潟戦の結果次第では、選手たちが今後の進むべき道を見失いかねない。ACL出場圏内の3位G大阪との勝ち点差は6。ハードルは高いが、戸惑うことなく集中して戦うためには、明確な目標が必要と感じた。

 橋本社長は「基本路線は変えない、と選手にも言った。だから、7連敗中もぶれずにやってきた。今までの(公式戦)37試合は何だったのかということになってはいけない」という。目先の勝敗にとらわれず、来季続投が内定しているフィンケ監督のもと、発展途上にある連動サッカーの熟成に継続して取り組む-。同社長は今後の方針をクラブ全体で再確認するために、ミーティング終了直後、全社員にメールを一斉送信。公式HPに同じ内容のメッセージを掲載して、サポーターにも理解を求めた。

 フィンケ監督は「ACL出場圏に入ることは、素晴らしいことだと思っていた」と受け入れた。日本代表から戻り、新潟戦で先発濃厚なDF闘莉王も「変われるといいけれどね。イキイキしてやりたい」と燃える。クラブトップの大号令が、上位進出への起爆剤となるか。【山下健二郎】