磐田DF駒野友一(30)が、J1通算300試合出場を勝利で飾る。今日21日の横浜戦は右サイドバックでのスタメンが確実。今季は公式戦全9試合にフル出場するなど、不動のサイドバックとしてチームの好調を支えている。J史上55人目となる節目の一戦で、08年以来未勝利の難敵から4シーズンぶりの白星をつかみ取る。

 自身のメモリアル試合で負けるわけにはいかない。Jリーグで55人目となる通算300試合の大台到達を目前に控え、駒野は「1つずつ積み上げてきた数字だと思う。節目の試合なのでいい結果で迎えたい」。非公開での最終調整後、言葉に力を込めた。

 磐田では今季、駒野とエース前田の2人だけが開幕から公式戦全9試合にフル出場している。1月の始動からだと日本代表合宿などにも参加していたため、他の選手よりもオフは少ない。それでも常に安定したパフォーマンスを披露し、欠かせない存在として君臨している。大車輪の仕事ぶりに森下仁志監督(39)は「努力のたまものだと思う。大器晩成じゃないが、年々成長している。試合で『戦う』ということを体現してくれる選手なので外せない」。駒野と同じ和歌山県出身で実家が近所という指揮官も絶大な信頼を置いている。

 今日対戦する横浜には08年以来、7戦未勝利が続く。ただ、今季の横浜はリーグ戦でいまだ白星がないなど不調が続いており、4シーズンぶりに白星を挙げるチャンスは十分。駒野は「今は(磐田には)いい勢いがあるので、しっかりと勝ち点を積み上げたい」。

 チームは今季初黒星を喫した14日の静岡ダービーから中3日で迎えたナビスコ杯広島戦で快勝。「すぐ勝てたことはよかった」と駒野が言うように、悔しい敗戦を払拭(ふっしょく)した。「リーグ戦での連敗はしたくない。自分たちのサッカーをして勝ちたい」。プロ13年目で達成する記念試合も、駒野はいつもと変わらず勝利のために汗をかく。【神谷亮磨】

 ◆J1出場試合数メモ

 最多出場は現在J2甲府に在籍するMF伊東輝悦(37)の511試合。清水に在籍した93年から10年までの18シーズンで483試合、甲府に移籍した昨シーズンも28試合に出場して前人未到の500試合の大台を突破した。これに浦和DF山田暢久(36)が484試合、名古屋GK楢崎正剛(36)が476試合で続く。磐田ではGK川口能活(36)が今季第2節鳥栖戦で400試合を記録。清水の現役ではMF小林大悟(29)が210試合に出場している。