<J1:川崎F2-3G大阪>◇第29節◇20日◇等々力

 G大阪がMF家長昭博(26)の抑えの利いた左ボレーシュートで、降格圏脱出へ1歩前進した。2度のリードをいずれも追いつかれて迎えた後半31分、家長がこぼれ球に走り込んだ。左足を小さく、鋭く振り抜いて、先制点に続くプロ初のリーグ戦1試合2得点となる決勝弾で、勝利の原動力になった。

 スペイン、韓国でプレーし、今夏G大阪復帰後は7戦3得点。それでも「たまたま入っただけ、もっとできることがある」。4戦連続先発で前半15分に右MFからトップ下に移動。直後に先制点を決めた。ザックジャパンでは11年6月に招集されボランチで起用されたが、「攻撃的な位置で呼ばれないと意味がない」と漏らしていたという。

 14年W杯出場も諦めていない。苦境に陥る古巣の救世主となり、再び欧州再挑戦とともに日本代表復帰をもくろんでいる。保有権は今もスペイン・マジョルカが持ち、今オフにも再び欧州へ渡る可能性が高い。すべては代表復帰のため。それも本田、香川がいる攻撃的な位置を狙っている。

 チームは順位を1つ上げて16位に浮上。勝ち点1差で15位大宮の背中が見える。残り5試合。「精神的に少し楽になった?」の問いに「いや、それはない」と即答。目指すゴールはもっと先にある。【栗田成芳】