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浦和優勝、傷だらけの勲章/アジアCL

初優勝を飾り、MF鈴木(前列中央)を中心に喜びを爆発させる浦和イレブン
初優勝を飾り、MF鈴木(前列中央)を中心に喜びを爆発させる浦和イレブン

<アジアCL:(3)浦和2-0セパハン(イラン)(1)>◇決勝◇第2戦◇14日◇埼玉◇観客5万9034人※カッコ内の数字は2戦合計得点

 浦和が日本サッカー界の夢をかなえた。セパハン(イラン)との決勝第2戦は、前半22分にFW永井雄一郎(28)のゴールで先制。後半26分には腰痛を押して強行出場したMF阿部勇樹(26)が、ヘッドで試合を決定づける追加点を挙げた。相手の猛反撃もDF闘莉王(26)を中心にした気迫の守備で無得点に抑え、2-0で快勝。ハード日程で故障者が続出した中、第1戦(1-1)と合わせた2戦合計3-1として、日本勢初のACL制覇を成し遂げた。12月7日に開幕するクラブW杯にアジア王者として出場し、世界に挑む。

 約6万人の「WE ARE REDS!」の大合唱が、90分間、浦和イレブンに力を与え続けた。アジア制覇を告げる試合終了のホイッスルを耳にしても、ピッチ上の選手は走れなかった。大声援に背中を押され、ようやく歩きだした。阿部が、闘莉王が、力を振り絞ってチームメートと抱き合う。「こういうピッチに立てて誇りに思う」。阿部は歓喜の余韻をかみしめ、笑みをこぼした。

 一瞬のチャンスに飛び出した。1-0で迎えた後半26分。永井の放ったシュートを相手GKモハマディがはじいた。ゴール付近で弧を描くような浮き球。本来ならば右サイドにいるはずの阿部がそこにいた。跳び上がり、頭で押し込んだ。試合を決定づける2点目。「あとは入れるだけだった。ラッキー。でも何であそこにいたのかな。サポーターの声援のおかげかな」。耳をつんざくような〃激励〃を力に変えた。接触プレーで痛めた左足首の激痛に耐えながら、歯を食いしばって戦い抜いた。

 赤いユニホームに包まれた阿部の肉体はボロボロだった。9月に痛めた腰痛が再発。その影響と打撲で両足に痛みが走っていた。試合後は「腰? 多分(大丈夫)…。ほっとしています」と笑ってごまかした。ひんぱんに連絡を取っている父勝夫さんにも負傷のことは口にしなかった。「相当な覚悟で来ました」。浦和加入時の言葉通り、最後まで弱音は吐かなかった。

 今夏以降、浦和は過密日程とも戦った。7月に灼熱のベトナムなど東南アジアで6試合を行った阿部は、8月にも代表戦を含めて計8試合を消化。代表勢は9月にJリーグ、ACLを含めて8試合を戦った。ここまで1週間に2試合ペース。J、ACL、代表。3大会を掛け持ちする浦和の主力半分は中3日、中2日ペースで試合に臨まなければならなかった。

 故障者も続出した。交代出場した田中達は左足首や両足の打撲で先発落ちした。平川は11日の川崎F戦で左ふくらはぎを打撲。山田は右ふくらはぎ肉離れで復帰できなかった。小野も左足首骨挫傷で離脱中。そんな限界ギリギリの浦和を、闘莉王が最終ラインから支えた。

 闘将は先月24日のACL準決勝第2戦城南一和戦で左太ももを肉離れ。7日のアウエー第1戦を欠場した。「日程的に優勝は無理と思ったこともある。限界を超えて壊れそうだった。壊れた選手もいる。ここで負けたらむなしすぎる。最後はすべてを出し切った」。11日の川崎F戦で復帰したばかり。病み上がりでも体を張って完封した。

 12戦無敗のまま、アジアの頂点に立った。Jでタイトルを刻んだ強豪がなし得なかったACL制覇を初挑戦でもぎ取った。スタンドでサポーターがボードで描いた初快挙を示す「一番星」を眺めながら、浦和イレブンは先を見据えた。アジアを制したが、J連覇としてこそ本物のアジア王者。J連覇とアジア制覇の2冠を成し遂げ、赤い軍団は12月、世界の大舞台に立つ。【藤中栄二】

[2007年11月15日9時37分 紙面から]

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