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鹿島奇跡の逆転Vで10冠/J1

優勝を飾った鹿島の小笠原は試合後、スタンドにでサポーターに胴上げされた
優勝を飾った鹿島の小笠原は試合後、スタンドにでサポーターに胴上げされた

<J1:鹿島3-0清水>◇最終節◇1日◇カシマ

 鹿島が奇跡を起こした。首位浦和と勝ち点1差で迎えた最終節清水戦に3-0で圧勝。浦和が最下位・横浜FCにまさかの敗戦を喫したため、最終戦で初めて首位を奪取という歴史的な逆転優勝を成し遂げた。開幕スタートはクラブワーストで、A代表選手はゼロという状況ながら、伝統チームのプライドに火がついて終盤戦に猛追。90分制(03年以降)では新記録となる9連勝で、浦和と残り5試合で10点差あった勝ち点を逆転し、6年ぶり5度目のリーグVを果たした。02年ナビスコ杯以来、5年ぶりのタイトル獲得で悲願の10冠を達成し、名門が復活した。

 体中に感動が走った。終了のホイッスルの瞬間、鹿島ベンチからオリベイラ監督をはじめ、控え選手、スタッフがピッチになだれ込む。その光景を見た出場選手は体を震わせて泣き、最高の笑顔を周囲に振りまいた。まだその時点で優勝は確定していなかった。大型スクリーンに浦和-横浜FC戦の中継が流され、PK戦のように1列になって見守る。それから約1分後、浦和イレブンの失意の表情が映ると、2度目の歓喜の瞬間が訪れた。奇跡が起こり、スタジアムが揺れた。

 世界クラブ選手権の優勝を経験したオリベイラ監督ですら我を忘れた。優勝インタビューでは、頭に血管を浮き上がらせて絶叫した。「自分自身も一晩寝られないと思う! 目が覚めた時にこのタイトルをかみしめたい!」。この劇的な優勝を象徴していた。

 5年ぶりのタイトルを目指した今シーズンは、苦難のスタートだった。クラブワーストとなる開幕5戦未勝利。4月7日の大宮戦の試合後には、チームバスが怒り狂ったサポーターの集団に囲まれた。「詐欺師!」「くそったれ!」。バスの中にいても、ありったけの罵詈(ばり)雑言が耳を突き抜けた。そして鹿島の置かれる立場を再認識した。常勝軍団であり続けないといけない-。「必要な危機感だった」(DF大岩)。この日の事件は、10冠への原動力となった。

 目の前の戦いから逃げられない宿命にある。不振を極めたリーグ戦と並行して行われていたナビスコ杯。4月11日の名古屋戦を前にオリベイラ監督は「メンバーを入れ替えたい」と強化部トップの鈴木満取締役に願い出た。だが却下された。「うちは、すべてのタイトルを取りに行くチーム」。Jリーグの規則に縛られたベストメンバー主義ではなく、それが鹿島に根付くポリシーだった。名古屋戦に勝ち、その直後の同14日の横浜FC戦で待望のリーグ戦初勝利を挙げた。快進撃はそこから始まった。

 ジーコがいたころのように、勝利のためには妥協しない姿勢が今年は見られた。試合でセットプレーからの失点が続いていたころ、DF岩政は練習を中断させてまでも首脳陣に細かく修正を求めた。1人で監督に主張し続け、練習の流れを止める。普段は温厚なFW柳沢が「早くやろう!」と怒鳴り、ピッチに緊張感が走った。勝利に飢えていたからこその衝突。若手のMF中後は「チームがまとまる上で必要だった」と感じた。

 02年の9冠目を最後に長い空白の時があった。MF青木は「自分にとっては10冠じゃなく、やっと第1歩を踏み始めた感じ」とかみしめた。A代表選手ゼロ、首位との絶望的な勝ち点差。チームが1つの戦う集団にならなければ、歓喜の瞬間は訪れなかった。今季3代目の主将に就任したFW柳沢は言う。「今までもそうだったけど、優勝するときのチームのまとまりを感じた。誇りを持ちたい」。

 これまでユニホームの左袖にあったタイトル数を意味する9つの星は、来季から大きな1つの星に変わる。この重みを忘れないために、左胸のチームエンブレムの上に縫い付けられる予定だ。奇跡とともに勝ち取った10冠は、永遠に語り続けられる。【広重竜太郎】

[2007年12月2日9時33分 紙面から]

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