サッカー

４冠請負人、浦和高原が得点王狙う

背番号７の浦和のユニホーム姿で埼玉スタジアムのピッチに立つ高原

　４冠請負人がＪリーグ得点王奪取を宣言した。日本代表ＦＷ高原直泰（２８）が１１日、浦和と正式契約を結び、記者会見に臨んだ。同席した中村修三ＧＭ（４９）にアジア・チャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）、Ｊリーグ、ナビスコ杯、天皇杯の全タイトル獲得のけん引役として期待されると、自ら得点王を目指すハードルを設定。背番号はプロ入り後、初となる一けた台の７番を選択した。また日本代表候補合宿に正式に招集された。

　１並びの１月１１日に浦和と正式契約を結んだ高原は頂点を見据えていた。０２年、自らＪ得点王に輝いて以来、日本人の同タイトル奪取がないことを知り、日本最強ＦＷの誇りに火がついた。「やっぱりＦＷである限り、ＦＷのタイトルを狙うのは当然だし、オレ以来、日本人がいないなら頑張ります」。過去５年間、ブラジル人に明け渡してきたＦＷトップの座を奪い返すことを堂々と宣言した。

　過去１５年間、複数回の得点王獲得は古巣磐田の先輩となる中山の２回しかない。６年ぶりのＪ復帰、浦和という新加入クラブでの得点王は、簡単なハードルではない。中村ＧＭには「ナビスコ杯、天皇杯、Ｊリーグ、ＡＣＬを取ってクラブＷ杯で世界のトップとまた対戦したい。高原選手は世界で戦うために絶対、必要な選手」と期待された。４冠請負人の重圧は大きいが、気持ちの盛り上がりも大きい。「勝つために全力でプレーすることが大事。いろんな大会を勝ち抜いていければいい」と自信たっぷりだ。

　オシム前監督が倒れたことがきっかけで、６年ぶりの日本復帰の選択肢が芽生えた。フランクフルトには推定年俸２億円以上の高額な契約延長オファーを受けたが「（フンケル）監督の起用法は納得いかず、自分らしいプレーをしたかった。クラブあっての代表。クラブでいかに活躍するかが上につながる。（岡田ジャパンの）グループの中にいたい思いがあった」と浦和移籍に迷いはなかった。

　代表日程がタイトなため、３月８日のＪ開幕までに浦和で練習する機会は少ない。「そのへんが不安要素」と話すだけに、来月１１日からのグアム合宿にはギリギリまで参加する方針。会見後には「空き番号から何となく」選んだ背番号７の浦和ユニホームに身を包んだ。「ワクワクしている。日本のピッチはどこも良いので」。４冠請負人は得点王、全タイトル奪取の予感を漂わせていた。【藤中栄二】

［2008年1月12日9時17分　紙面から］

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