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特別連載 THE OTHER SIDE




ホーム > 特別連載 THE OTHER SIDE > 第3回 ミシェル・ウィー


ミシェル・ウィー 浜ちゃんにHG…「お笑い」パワーで猛チャージ?

カシオワールドオープン・3日目 12番ホール、トラブルをリカバーしパーでしのぐミシェル・ウィーカシオワールドオープン・3日目 12番ホール、トラブルをリカバーしパーでしのぐミシェル・ウィー=2006年11月25日(撮影・上田博志)

 天才女子高生プロゴルファー、ミシェル・ウィー(17=米国)が、日本の「お笑いパワー」で窮地を脱する? 2年連続で挑戦した日本男子ツアーのカシオワールドオープン(高知・Kochi黒潮CC)では、予選ラウンドを通算17オーバーの100位で予選落ち。昨年はカットラインに1打及ばず涙をのんだが、今回は何と17打差。2日間で1つもバーディーが取れず、失格者を除く男子プロ全員に敗れた。それでも「これが私の実力じゃないから、気にしません」と強気の姿勢を崩さなかった。

 今年もメジャー以外の女子ツアーには、ほとんど目もくれず「いつかマスターズに出る」という夢を追いかけ、世界の男子ツアーに挑戦を続けた。5月のアジアツアーでついに予選突破を果たして35位。だが、その後の3試合は、棄権か最下位と散々だ。不振の原因として「新クラブとの相性」や「学業と両立による練習不足」など、さまざまな説がささやかれている。昨年より一回り大きくなった185センチ、65キロの体を持て余しているようにも見える。

 しかし、ウィー本人はめげていない。記者会見で「男子ツアーには、もう少し成長してから挑戦し直したらどうか?」と厳しく突っ込まれると「女の子の成長は男の子より早いでしょ。私はもう十分、成長していますよね」と切り返して、質問者を絶句させた。その余裕と頭の回転の速さは、実は日本の「お笑い」から学んだという。

カシオワールドオープン・初日 10番ホール、ペアルックの宮里優作(左)と横尾要(右)にはさまれ笑顔を見せるミシェル・ウィーカシオワールドオープン・初日 10番ホール、ペアルックの宮里優作(左)と横尾要(右)にはさまれ笑顔を見せるミシェル・ウィー=2006年11月23日(撮影・上田博志)

 ハワイの自宅では毎日、ケーブルテレビで日本のバラエティー番組をチェックする日本通。好きなタレントは「ダウンタウンの浜ちゃん」。日本語は日常会話レベルならペラペラ。レイザーラモンHGの決めゼリフまで、すべて頭に入っている。ギャラリーと係員が目の前で怒鳴り合いを始めた初日のラウンドでは「日本ではこういう時(HGのように)『セイ! セイ! セイ!』と言うんですよね?」。同組の宮里優作をずっこけさせた。

 成績は上がらなかったが、今回も日本滞在を堪能し、元気を取り戻して帰国した。地元のラーメン店に飛び込んで塩ラーメンをすすった。テレビ局関係者には「六本木に『物まねバー』があるって聞いたんだけど?」と聞いて回った。上戸彩と共演したテレビCMで話題を呼んだ、珍妙なポーズでバーディーを決めまくるウィーの勇姿が、来季は見られる、かも知れない。【大石健司】

大石 健司おおいし・けんじ
 静岡県生まれ。日刊スポーツ入社後、おもにスポーツ部でサッカー、バトル、ゴルフなどを担当。41歳。

※本連載は毎週木曜日更新予定です



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