2007年4月21日に行われた「兵庫リレーカーニバル」で陸上の女子長距離界に17歳の新星が誕生した。女子1万メートルで絹川愛が31分35秒27で日本人トップの2位に入り、世界陸上の参加標準A記録(31分40秒)を突破した。同種目初挑戦ながら6000メートルすぎに日本記録保持者の渋井陽子を抜き去り、福士加代子(25)の持つ日本ジュニア記録(31分42秒05)も更新。未知の可能性を秘めたスーパー女子高生が、今夏の大阪で世界への飛躍を狙う。
強さの秘密は日本人離れしたバネだ。小柄な体に反した大きなストライドが特長。2006年までは並外れたバネに体が耐えられず股(こ)関節痛に悩まされたが、ようやく成長が追いつき、練習量をこなせるようになった。3月には「スーパー女子高生」と呼ばれた小林祐梨子の中国・昆明合宿に同行。「小林さんは絶対『きつい』と言わない。前向きさを学んだ」。それからたった1カ月。距離こそ違うが、小林も達成していないA標準突破をやってのけた。
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絹川愛(きぬかわ・めぐみ)。
1989年(平成元年)8月7日、群馬県高崎市生まれ。中尾中1年で陸上を始め、2年まで短距離専門も3年の4月に中距離転向。2004年の全国中学総体で1500メートル準優勝。仙台育英高1年の高校総体1500メートルで3位。選手層の厚い同校で1年生で全国高校駅伝に出場。2区で12人抜きの快走を演じた。2006年12月の全国高校駅伝では同僚のケニア人選手を差し置いて2年で「花の1区」に。区間賞を獲得した。2007年3月の福岡国際クロスカントリーの一般女子6キロに出場し優勝した。趣味はダンスで、ヒップホップ系の音楽に合わせて踊る。153センチ、38キロ。足の大きさは24センチ。
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- 31分35秒27(2007年兵庫リレーカーニバル)
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- 2007年 日本選手権1万メートル3位(32分45秒82)
- 2007年 兵庫リレーカーニバル1万メートル2位(31分35秒27)