<女子ゴルフ:NEC軽井沢72>◇最終日◇12日◇長野・軽井沢72G北C(6525ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝賞金1260万円)
吉田弓美子(25=イーグルポイントGC)が、通算11アンダー205で首位に並んだジャン・ウンビ(23)との、6ホールに及ぶプレーオフに勝利。ツアー初優勝を挙げた。プロテスト合格に3年かかり、その間に同い年の有村、原がツアーで優勝。今年に入っても高校の後輩にあたる斉藤や、親友の大江に、初優勝で先を越されてきた。だがあせらずじっくりと磨いてきたショットの精度が、長丁場でものをいい、ついに栄冠を手にした。
長い1日のはてに、ハッピーエンドが待っていた。プレーオフ6ホール目。吉田は1・5メートルのウイニングパットを沈め、両拳を天に突き上げた。「長かった。でも最後のパットはそれまでと違って、長尺パターのグリップを胸に当てても、ドキドキを感じなかった。決まると思った」。ラウンド中の笑顔が、涙でくしゃくしゃにゆがんだ。
親友の大江と抱き合うと「やっと追いついた!」と叫んだ。今年初めてシードを得たが、開幕戦では厚木北高の4年後輩の斉藤が勝利。そして大江までもが初Vを果たした。大江は「吉田さんは大人。周りに気を使わせないよう、普通に振る舞っていた」と証言するが、人知れず「また先を越された」と、こぼすこともあったという。
そんな時、大矢真一キャディー(35)に「人より遅れるのはいつものこと。優勝してないのに、賞金ランク上位でツアー選手権に出られた方が格好いい」と言われ、楽になった。だから、プレーオフでバーディーパットが決まらず、長丁場になっても焦らない。大矢さんと「最長プレーオフ記録を目指そう」と笑い合う余裕まであった。
「プロテストに受かるまでの3年間が特につらかったけど、いま思えば無駄じゃなかった」。時間をかけて磨いてきたショットは、ホールを重ねてもピン近くを捉え続けた。優勝記念のフォトセッションの最中には、斉藤から祝福の電話があった。「ありがとうね。愛璃の優勝があったから頑張れたよ」。素直な感謝の言葉は、再びあふれた涙で震えた。【塩畑大輔】
◆吉田弓美子(よしだ・ゆみこ)1987年(昭62)4月28日、神奈川県生まれ。10歳でゴルフを始める。厚木北高では関東ジュニア優勝。06年同高卒業。非会員としてツアー参戦しながら、プロテストを受験。09年にようやく合格した。11年に賞金ランク42位に入り、初のシード権を獲得。今季は21戦で予選落ち2回、棄権1回と安定している。164センチ。血液型AB。
◆プレーオフ
国内女子ではツアー制の施行後、プレーオフの最長記録は7ホール。02年のヴァーナルレディース(久保、木村、山崎)06年スタンレーレディス(古閑、大山)の2例がある。6ホールはそれに次ぐ長さで5例目。今回は2、4、6ホール目でカップの位置が切り直された。

