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遼クン日本ツアー中国初開催に出場前向き

 遼クンが「北京五輪」に出場!? 日本ゴルフツアー機構(JGTO)は5日、来季のツアー日程を発表。5月に中国で、史上初の海外開催大会となる「パインバレー北京オープン」をアジアツアー、中国ゴルフ協会との共催で実施すると公表した。同大会は8月開幕の北京五輪の前景気をあおる性格を持つ。実現すれば海外プロツアーデビューとなる石川遼(16=杉並学院1年)が、五輪本番での日本人メダルラッシュに向けて「先陣」を切る。

 遼クンが、北京五輪の盛り上げに一役買う。01年以降、減り続けた男子ツアーの試合数が、アジアツアーとの共催という新機軸もあり、9年ぶりに増加に転じた。「世界を相手に変わっていかなければいけないというわれわれの意識や努力と、スポンサーの企業戦略が一致したと考えています」(JGTO山中博史専務理事代行)。変わりつつある日本ツアーの「象徴」が、5月に北京に乗り込む。

 ゴルフは五輪競技ではない。しかし、国を代表して戦う重責と名誉は、遼クンも7月の世界ジュニアで実感した。「日の丸を付ける感動は素晴らしかったです」と振り返る。8月の五輪開幕を前に、同じ北京で夢だった海外ツアーデビューとなれば気合も入る。

 父勝美氏(51)も「万里の長城のすぐ近くなんですってね? 『長城越えショット』なんていいですね」と大乗り気。親せきの通う社交ダンス教室の中国人講師と家族ぐるみの親交があり、「ぜひ中国に来てください」と熱心に誘われているという。「日程的にも大変な時期ですが、せっかくの機会は生かしたい」と親子で前向きだ。

 大会を共催するアジアツアーと中国協会も遼クンの出場を願っている。中国が国家の威信をかけた五輪直前に、国内有数の豪華リゾート施設が日本で紹介されば、観光客誘致のPR効果は絶大だ。遼クンの参戦の有無で、報道内容が激変するだけに「何が何でも、石川君には来てほしいでしょう」と関係者は断言する。

 現時点で大会出場権の保証されている日本選手は60人程度。しかし、プロ転向後なら、70人の「賞金シード」より優先される「優勝者シード」を活用できる。遼クンは、ツアー関係者はもちろん、中国五輪委員会の熱い期待? も背負っている。【大石健司】

[2007年12月6日8時38分 紙面から]

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