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白鵬が大海倒し連続V王手/九州場所
- 千代大海(下)をはたき込みで破り大きく息を吐く白鵬(撮影・水谷安孝)
<大相撲九州場所>◇14日目◇24日◇福岡国際センター
「大本命」がついに単独トップに立った。横綱白鵬(22=宮城野)が大関千代大海(31)との2敗対決を制し、今場所初めて賜杯レースの先頭に出た。千代大海の突っ張りに対して2度のとったりを試み、最後ははたき込み。2場所連続5度目の優勝へ大きく近づいた。今場所限りで引退する大関魁皇(35)は大関琴光喜(31)を下手投げで下し、勝ち越しを決めた。
横綱として、負けるわけにいかなかった。白鵬は突っ張ってきた千代大海の右手首をつかんで必死に手繰り、2度もとったりで転がそうとした。左前まわしを取る形にこだわらず、最後はタイミング良く右へ変わった。「本当に負けられない一番だったんでね。負けと勝ちでは違う。正直、うれしかった」。息を切らしながら唇をなめ、「綱の意地だったか?」の問いに、大きくうなずいた。
取組前から気合十分だった。いつもは東支度部屋奥で目をつぶり、立ち上がってからまっすぐ花道へ向かう。だが、この日は進路を右へ変えた。向かったのは風呂場入り口にあるてっぽう柱。取組直前の初の“寄り道”に、先導する付け人も気づかなかった。「大関は圧力があるんで、圧力負けしないようにと」。右、左…と考え込むようにして32発。黙々と両手を出し続け、「ヨシッ」の声とともに大一番へ向かっていた。
引き揚げる際、進路をつくる警備の間から、子どもの手が伸びていた。気づかず通り過ぎた直後、きびすを返して色紙にサインした。会場の外でも車を囲むファンにサインした。実は場所中、支度部屋から20度近く寒暖の差がある駐車場でのサインを、周囲はやめるよう進言したことがある。それでも首を横に振った。「日本の子どもは野球やサッカーをやるけど、相撲をもっと好きになってほしい。子どもはサインもらったら、一生、思い出になるでしょ」。この日の朝も、けいこ場がある公園で子供と写真撮影。力士トップとして、土俵外での自覚も十分だ。
14日目にして、ようやく初の単独トップに座った。「『引っ張っていく』と言っちゃいましたから」。千秋楽で琴光喜に勝つか、ただ1人3敗の千代大海が敗れれば2場所連続5度目の優勝が決まる。先場所の優勝後「(朝青龍が復帰する)初場所までの3連覇が目標」と言い切った白鵬。もう1人の横綱との再戦まで、賜杯を譲るわけにはいかない。【近間康隆】
[2007年11月25日9時45分 紙面から]
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