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魁皇が有終給金/九州場所
- 勝ち越しを決め、花道を引き揚げる魁皇(撮影・岡本肇)
<大相撲九州場所>◇14日目◇24日◇福岡国際センター
魁皇が、琴光喜を左下手投げで下し、勝ち越しを決めた。低く当たって相手の左腕を引っ掛けて2本差しの有利な体勢をつくった。休むことなく前へ足を運び、相手の上体を起こした。最後は今場所初めて試みる投げ、相手を腹から落とした。「あまり内容は覚えてないけど、変なことは考えずに思い切っていった。土俵に上がると、ファンからの歓声が聞こえないくらい集中していた」と、無心で集中力を高め、8つ目の白星をつかんだ。
左太もも裏痛とも戦いながら、11度目のかど番を脱出した。88年春場所でデビュー。20度目のご当地で、今場所を最後に引退を決意しているが、取組後の支度部屋では「正直、もうだめかと思った時期もあった。でもあきらめるのは簡単。辞めるわけにはいかない。苦しいからこそ向かっていかないといけない」と、前日(23日)に続き、この日も去就に関しては明言を避けた。
今日の千代大海戦は20年の土俵人生の千秋楽となる。「来年初場所は?」と聞かれ「気持ちは取るつもりでいる。でも、ここで大けがするかもしれないし、先のことはまだ分からない」と、最後まで言葉を濁した。満身創痍(そうい)の体で、気迫を前面に出して土俵を務める35歳は、土俵人生の幕が下りるまで、死に物狂いで白星にこだわっていく。【盧載鎭】
[2007年11月25日9時21分 紙面から]
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