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カブス福留はピネラ監督を「怒らせない」
【シカゴ(米イリノイ州)19日(日本時間20日)=四竈衛、佐藤直子通信員】中日からFAとなり、カブス入りする福留孝介外野手(30)の入団会見が、本拠地リグリーフィールドで行われた。4年契約4800万ドル(約52億8000万円)の基本年俸にインセンティブ契約などを加えると総額6000万ドル(約66億円)となる大型契約。熱血漢で知られるピネラ監督を「怒らせないようにしたい」と笑わせた。背番号は「1」に決まった。
最高気温が氷点下1度と冷え込んだシカゴでも、福留の周囲だけは熱かった。日米報道陣約75人を含め関係者100人以上が会見に詰めかけた。メジャーリーガー福留は、冷静かつ慎重に言葉を選びながら抱負を口にした。「メジャーの中でも歴史のあるカブスと契約できてうれしい。歴史のある球場で熱心なファンの前でプレーできる日を今から楽しみにしています」。背番号「1」のユニホーム姿を披露すると、自然に拍手が起きた。
10球団以上の誘いの中からカブスを選んだ理由は、金銭面などの高条件だけでなかった。「FA宣言して以来、最初から最後まで僕を欲しいと言ってくれた。それに右翼をお願いしたいというところが、僕にとっては大きかった」。熱意に加え、チームとしての補強ビジョンが何よりも明確だった。また、大都市シカゴには日本人コミュニティーがあり、出産直後の家族の居住環境としても申し分ない点も大きかった。
さらに、決め手になったのが、ピネラ監督の存在だった。マリナーズ時代に、イチロー、佐々木(現日刊スポーツ評論家)、デビルレイズ(現レイズ)時代には野茂ら、日本人選手の考え方や資質を知る監督だけに、福留としても不安は少ない。「日本でもよく知られた監督。どういう戦術をとるとかは分からないですが、心配はないですね」。この日は所用で欠席したため、初対面はお預けとなったが、早くも元マ軍の長谷川滋利氏(現評論家)からピネラ監督との交流について助言を受けるなど「対策」も着々。「あんまり怒らせないようにしたいですね」。暴言退場の常連としても有名な熱血漢だけに、まずはジョークで抱負を語った。
既にシカゴ市郊外で新居探しを開始しており、21日には帰国する予定。「今度は雪のない、緑の時期を見たいですね」。メジャーデビューは、来年3月31日の地元開幕戦(対ブルワーズ戦)。一面雪に覆われたグラウンドを前に、開幕が今から待ち遠しそうだった。
[2007年12月21日9時20分 紙面から]
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