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中田場外弾デビュー/練習試合

- 5回裏日本ハム無死、中田は左越えに場外本塁打を放つ(撮影・黒川智章)
<練習試合:日本ハム8-5阪神>◇10日◇沖縄・名護
怪物が公約通りの弾丸アーチでベールを脱いだ。初の対外試合となる阪神戦に6番DHで出場した日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が、左翼場外へと消える推定130メートル弾が、記念すべきプロ初安打となった。1カ月前に「(初戦では)大きいのを打ちたい。弾丸アーチです」と言い放った目標を実現させた。阪神ファンからも「中田コール」が起こるなど、球場全体が祝福。異例のヒーローインタビューまで行われ、5000人の観客は中田フィーバーに熱狂した。
衝撃の一打はレフトスタンドを大きく越えて、遊歩道手前の芝生で跳ねた。カウント1-3から3球ファウル後の8球目だった。阪神筒井が内寄りに投じた138キロのストレートを振り抜くと、快音が響き、歓声が起こる。まさにはじき飛ばされたようなライナーは、推定130メートルの飛距離を生み出した。
中田「手ごたえは完ぺきでした。変化球を狙って打てる技術がまだないので、まっすぐだけを狙ってました。フルスイングするしかないと思った」。
直後には阪神ファンからも沸き起こるナカタコール。立ち見も出たスタンドにベンチから飛び出して、応える姿はメジャーリーグをほうふつとさせた。「(うれしくて)飛び跳ねたかったけど、さすがに練習試合なんで」と苦笑いを浮かべたが、約5000人の観衆は「中田ショー」に酔いしれた。
雰囲気はあった。好捕で中直に倒れた第1打席。プロ入り後初めて背中を反らす“カブレラポーズ”を解禁した。
中田「やって集中しようと思った。(無安打だった紅白戦で)猫背になって、ベースにかぶさるようなフォームになってしまっていたんで」。
緊張で舞い上がることなく、冷静に修正を施していた。ベンチに帰ると、ダッグアウト裏にあるテレビのスロー映像でフォームの確認まで行っていた。
野球に対してはどこまでもマジメだ。初めての三塁守備に戸惑いを感じ、宿舎の廊下では内野のフォーメーションの確認を繰り返す。また高校時代とは比べものにならない数のサインプレーを覚えるため、先輩の植村に講師をお願いして、テストしてもらうこともあった。
体は相当疲れている。キャンプ初日に、寝坊しそうなところを隣室の宮西に起こしてもらったため、2日目は意地をみせて先に起こしに出向いた。ところが食事後、再び睡魔に襲われる。部屋から出てこないことを不思議に思った宮西が中をのぞくと、ユニホームを着て帽子をかぶったまま、いすで眠っていた。初めての野球漬けの生活。バテない方がおかしい。
中田「これから投手のレベルも高くなると思うし、しんどくなっていくと思う。でも今日みたいに思い切り振っていければいいです」。
これはまだ序章にすぎない。怪物が我々に与えるインパクトは、こんなものでは終わらない。【本間翼】
[2008年2月11日9時26分 紙面から]
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