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松雪泰子、本気の涙主演女優賞/映画大賞

日刊スポーツ映画大賞の主演女優賞に決まった松雪泰子(撮影・野上伸悟)
日刊スポーツ映画大賞の主演女優賞に決まった松雪泰子(撮影・野上伸悟)

 昭和40年、東北の炭鉱町にフラダンスでミラクルを起こした女性たちの実話を描く「フラガール」(李相日監督)が4冠を獲得した。先生役の松雪泰子(34)が主演女優賞を受賞した。

 松雪が街を歩いていると声を掛けられるようになった。「元気をもらいました、ありがとう!」。

 炭鉱の娘たちにフラダンスを教えるため、東京からやってきた元ダンサー、まどかを演じた。保守的な田舎町で孤軍奮闘する姿は、男女を問わず見た人を元気にした。「『フラガール』からたくさんのギフトをいただきましたが、これが一番のギフトでした」。

 ソロで踊るシーンのため、撮影前の2カ月間、バレエ、フラダンス、タヒチアンダンスのレッスンを毎日計6時間積んだ。ストイックなまでに役になりきるタイプを象徴するシーンがある。もめ事の責任を取って町を去ろうとする日、支配人(岸辺一徳)に「あんた、いい女になったな」と声を掛けられ、ポロッと涙をこぼす。台本になかったものだった。

 「同じエンタテインメントビジネスの中で頑張ってきた人だから、挫折感も理解も共感もできる。撮影が進む中で、虚勢を張って一生懸命やっているところをそぎ落とされていく感覚が、自分にもありました。だから言葉をかけられて、泣いちゃいました」。

 教え子たちや町の人々との交流を通して人間的に成長していくが、自分自身の変化も感じていた。「20代のころは作品を通して何を表現したいのか、分からなかった。年齢からか経験でキャパシティーが広がったのか、この作品を通して表現したいものがより明確になりました。やっと今、スタートラインかな」。女優として成長した手応えを、はっきりつかんだ。

 女優デビューしてから16年。初めての賞だ。「思い入れが深い作品でもあるし、本当に光栄なこと。『フラガール』一色だった今年を、いい形で締めくくれます」。映画に観客に、元気をもらった笑顔だった。【近藤由美子】

[2006年12月5日8時54分 紙面から]

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