巻、逆転勝ち 夏4強知る池田がプライド殊勲打

巻対新潟南 9回表2死二塁、勝ち越し二塁打を放つ巻・池田

<秋季高校野球新潟大会:巻4-3新潟南>◇4日◇北支部2回戦◇新潟市みどりと森

 夏の県4強、巻が、新潟南に4-3で逆転勝ちした。3-3で迎えた9回2死二塁の場面で、池田龍哉(2年)が中堅手の頭を越える勝ち越し二塁打を放った。夏の登録メンバーは4人残っているが、ただ1人のレギュラーが秋の初戦で勝負を決めた。

 意地の一撃だった。夏のレギュラーのプライドで、ボールを中堅手の背後まで運んだ。3-3で迎えた9回表2死二塁だ。カウント1-1から池田が放った中越え二塁打が、決勝点を生んだ。「ストライクがきたら思い切り振ろうと思った。絶対、自分が決めようと考えていた」。池田で決める、という思いは清水一弥監督(51)も同じだった。

 「池田までチャンスが回ってきたら一発勝負。池田に懸けるしかなかった」と清水監督は言う。大半のメンバーにとって、新潟南戦が公式戦デビュー戦。唯一、池田だけが夏の県4強をスタメンで経験していた。「経験のある池田に打ってほしい」と話した指揮官は、打席に送り出すとき、こんな指令を出していた。「お前は経験者だから、打ってこい!」。

 夏は1番打者で左翼手。新チームになった今秋は3番に座った池田だが、大会直前まで不調に見舞われていた。フォームを崩し「バットに当てるだけになっていた」という。そんな状態で、ある覚悟を決めていた。「当てるだけなら、フルスイングしよう」。9回の好機は、心掛けていた強振で中堅の頭上を襲った。「詰まったかな、と思った」が、パワーでボールを持っていった。

 1回表無死一、三塁のシーンでは池田が二ゴロを打ち、送球間に先制点。ところが、その裏に追いつかれ、4回には1-3と、追う展開になった。「公式戦のベンチに初めて入る子ばかり。苦しい試合になると思っていたが、しぶとく粘れば相手は嫌なはず」(清水監督)。そんな試合状況を池田のバットが打開した。「自分が引っ張っていかなければダメだと、思っている」。そう腹をくくっている夏のレギュラーが、最後のチャンスに貴重な長打を放った。【涌井幹雄】