巨人高橋由伸監督(40)が、指揮官としての初陣となる開幕戦に向けて所信表明した。24日、東京ドームで16年の球春到来を告げる今日25日のヤクルト戦に向けて最終調整した。野球賭博や金銭授受などの問題で巨人をはじめ球界全体が揺れているが、高橋監督はグラウンドでの全霊を尽くしたプレーで示していくことを宣言。「負けていい試合はない。勝ちに向けて最善を尽くす」と常勝球団を率いていく決意を口にした。
心の中に、ざわつきはなかった。18年の現役生活に区切りをつけ、監督業1年目として迎える初めての開幕前日。高橋監督は「いよいよ始まるな、というのはあるけど選手の時より緊張感や高ぶりはない。選手の時は明日からやれるのか、という気持ちから緊張感があった。今はまだまだ考えることがたくさんあり、そういう気持ちにならないのかも」と感じた。オーダーや戦術など考え事は尽きない。前日時点まで緊張が入り込む余地はなかった。
開幕前はグラウンド外の問題が球界に影を落とした。自軍からも4人目の野球賭博関与者を出した。「私たちはグラウンドで一生懸命にプレーしてみなさんにいいものを見せることしかできない。しっかり心に留めながらやらなければ」。騒動に一区切りがつき、立ち居振る舞いやプレーでファンを魅了することを所信とした。
巨人が背負う使命をまっとうする。「負けていい試合はない。勝ちに向かって最善を尽くす。選手にはその気持ちで毎日戦ってほしい」。今月中旬に長野、坂本、菅野と夕食をともにした。開幕投手を務める菅野には「開幕戦、頼んだぞ」と言葉を掛けたという。高橋由伸という野球人の根底に流れる勝利への情熱を、軸となる選手と共有した。
現役時代は開幕戦に無類の強さを発揮した。07年にセ・リーグ初の開幕戦先頭打者初球本塁打を放つなど通算打率3割2分2厘。5本塁打は4本の原、松井を抑え、10本の長嶋、6本の王に次ぐ球団史上3位だった。開幕男にとって開幕戦は143分の1なのか、それともオンリーワンの1試合なのか-。「監督として本当のスタート。チームとして勝ってスタートできればいいが、勝ち負けは1年間の中では同じ1つ。ただスタートとして特別なところはある」。酸いも甘いも、勝利も敗北も、すべてを一身に背負う日々がいよいよ始まる。【広重竜太郎】