<日本生命セ・パ交流戦:西武8-5巨人>◇6日◇メットライフドーム
名門が42年前の負の歴史を繰り返してしまった。泥沼の10連敗で臨んだ「日本生命セ・パ交流戦」西武戦(メットライフドーム)でFA加入の陽岱鋼外野手(30)が今季初出場し、先制適時打などで最大3点をリードした。エース菅野智之投手(27)で勝機が見えた流れだったが、6回に同点に追いつかれてKO。7回に救援陣が4四球を与え、無安打で決勝点を献上した。75年に長嶋監督が喫した球団ワーストの11連敗に並んでしまった。ついに5位に転落し、谷底に突き落とされた。
史上最弱の42年前の巨人と並んでしまった。陽岱鋼が初出場し、エース菅野が立った。勝てる流れだった。それでも、この日も負けた。右翼席が敗北の予感に敏感だった。終盤には帰路に向かうファンが増え、オレンジの固まりに空洞が浮かんだ。高橋監督は「負けて悪いことばかり言っても…。でも悪いことが目立ってしまう」と静かに話した。
自滅を象徴する戦いだった。プロ入り後、菅野が初めて2戦連続KO。下位打線に2度、捕獲された。ゾーンの四隅ギリギリを狙い、外れ、自らを袋小路に追い込んだ。4回に下位打線につかまり2失点。再び3点リードに広げた6回、試合前まで12打数6安打だった天敵の栗山に1発を打たれ「フォークが消えた」と豊富な球種の1つを消し、外角直球、外角スライダーに依存してしまった。
8番外崎、9番炭谷と菅野が優位に臨める相手に5失点中、2打点を許した。「右打者の内をつけなかった。6回はどこかで1球でもフォークを入れられたら違ったと思う。現実を受け止めないといけない。本当に情けない」と反省の言葉を並べた。エースに連鎖するように中継ぎも自滅した。同点の7回、2番手の桜井が3四球で交代。続く西村も押し出し四球を与え、決勝点を献上した。
球団首脳も11連敗を直視するしかなかった。老川祥一オーナー、さらに読売新聞グループ本社の山口寿一社長も訪れた。老川オーナーは「まったく、まいったね」と切り出した。西武も15年に13連敗し、ともに観戦した西武後藤オーナーから「明けない夜はない。朝が来ないことはないとチームに話した」と当時の苦境も聞かされ「今日から夜が明けると思ったが」と話した。
山口俊ら2軍で待機中の戦力もいるが「悠長に待っているわけじゃないが、調子が上がっている人もいる。ダメな者は相変わらずだけど。使わざるを得ないところに苦しいチーム事情がある。ただ同じ負けでも今までのように完封負けではない。前向きに考えたい」と締めた。
陽岱鋼が今季初出場し、光もある。だが歴史的連敗の前では、希望もかすむ。高橋監督は「相手もあること。なかなかうまくいかない。頑張ってやるしかない」と言葉を絞り出した。名門が失墜している。【広重竜太郎】