鷹奪首!サファテ、俺のリリーフ休ませろ助言効いた

9勝目を挙げた先発バンデンハークを迎える工藤監督(左)(撮影・渦原淳)

<オリックス1-5ソフトバンク>◇2日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンクが首位に立った。リック・バンデンハーク投手(32)が8回1失点の好投で9勝目を挙げ、チームを7月8日以来となる首位へと導いた。オリックスの先発全員から自己最多タイの計13三振を奪い、15年の来日以来、オリックス戦8戦8勝となる好投。前日1日、サファテがリリーフ陣の登板過多を訴え、不穏な空気が漂う中、ブルペン陣を休ませる投球で、楽天に1・5差をつけ、リーグトップの座に躍り出た。

 チームに漂う不穏な空気を吹き飛ばしたのは、バンデンハークだった。9連戦の5戦目となる試合で8回5安打1失点の力投。オリックス打線から13個の三振を奪い、連投が続いていたリリーフ陣を休ませた。

 「ストライク先行でいけたのがよかった。自分の仕事はできたと思う。みんな分かっているように(リリーフ陣が)毎日毎日投げているので、今日は8回までいけてよかった」

 オリックス戦は15年の来日以来、8戦8勝。「相手は関係ない」と話したが、今後も同カードで2~3試合の登板が予想されるだけに、頼もしい存在だ。9回はモイネロにマウンドを託し、来日初完投こそ逃したが、9連勝を飾った15年に並ぶ9勝目。来日初の2桁10勝にも王手をかけた。

 前日は今季チーム最長となった5時間11分の死闘の果てに敗戦。サヨナラ被弾したサファテが、登板過多と早い回での降板が続く先発陣にブチ切れた。だがこの日、バンデンハークがすべてを吹き飛ばす快投。一夜でムードを変えた。

 工藤監督は「すごいよかった。今日はサファテ、岩崎は使うつもりはなかったし、リリーフを休ませることができた」とたたえた。サファテも「(効いたのは僕の)グッド アドバイス!」とにっこり。バンデンハークを信頼し、終盤までマウンドを託した首脳陣の決断に笑顔だった。

 楽天が敗れ、チームは7月8日以来、25日ぶりの首位に返り咲いた。バンデンハークは「自分たちの試合をして、できることをやっていけば、最後はいいところにいられると思う」と逆転Vを宣言。一発快投で、ソフトバンクが再び上昇気流に乗った。【福岡吉央】

 ◆1日のサファテの発言 延長12回、ロメロにサヨナラ弾を浴びて2敗目を喫した試合後、珍しく語気を強めた。「先発投手がこれだけ早いイニングで降りていたら、そのツケはこっちに回ってくる。先発投手はそのツケを感じとってほしい。岩崎も森も嘉弥真も自分も疲れている」などとまくし立てた。ソフトバンクは今季、勝ちゲームで僅差の試合が多く、リーグ最多49試合登板の岩崎をはじめ、森が同2位の46試合、サファテが同5位の43試合、嘉弥真も37試合と、勝利の方程式への負担は数字にも顕著に表れていた。