清宮ドラフトに波乱!慶大・岩見リーグ記録4戦連発

慶大対明大 7回表慶大2死、岩見は右越え本塁打を放ち雄たけびを上げながらベースランニングをする(撮影・鈴木正人)

 ドラフト上位候補に挙がる慶大・岩見雅紀外野手(4年=比叡山)がリーグ史上4人目となる4試合連続本塁打を放った。同じプロ候補の明大・斉藤大将投手(4年=桐蔭学園)から7回、右へ流し打ち、通算を19号(今季5号)とした。年間最多11本にあと1、シーズン最多にあと2、先輩高橋由伸(現巨人監督)の持つ通算最多23本まであと4とした。この1発が効いてチームも先勝。26日のドラフト会議に向け、岩見の記録ずくめのアピールが続く。

 3番柳町達外野手(2年=慶応)に同点ソロが飛び出した直後だった。岩見が3球目、135キロスクリューボールを捉えると、打球は直後に右翼席で弾んだ。4試合連続弾。先月24日の法大2回戦から始まった勢いはドラフト1位候補の左腕斉藤でも止められない。明大戦では自身初の1発だった。「柳町が打ったんで、僕も打ってやろうかと思いました。常に打ちたいと思っていますが」と話した。

 それまでは三振、右飛、三振。完璧に抑え込まれていた。「ボールを追いかけてやられていた。でも終わったことは関係ない。今は割り切りがうまくなったかなと思います」。関係ないといいながら、凡打の中で手ごたえをつかみ、第4打席にしっかり生かした。「右飛になったとき、右なら伸びるなと思った。腕がうまく伸びました」と振り返った。

 今季の安打数はこの日で7本。うち5本までが本塁打だ。打者を評価する指標の1つに長打率(塁打÷打数)がある。岩見の大学通算塁打数は109で、長打率は6割5分7厘になる。23本塁打した先輩高橋由伸の長打率は、5割9分8厘だった。今季限りで現役を引退した東都大学の歴代最多(24本)の井口資仁(青学大)を見ると、こちらは5割4分6厘。岩見は記録保持者2人を上回る。

 明大を含めて立大、早大とまだ3カードを残す。年間最多へあと1、シーズン最多へあと2。通算最多へあと4と、記録への期待は高まるばかりだ。すでにプロ志望届は提出した。この日は提出後初の本塁打でもあった。「20本、すごいですね。(最多まで)あと4本ですか」。自分の上にいるのは、1位高橋由伸、2位田淵幸一、3位岡田彰布と目指すプロで活躍した大物ばかりだ。

 「でも勝たないと喜べないです。打って勝ちたい。5連勝したいです」。6大学の大砲は、何より勝利を第一に記録更新を求める。【米谷輝昭】

<岩見雅紀(いわみ・まさき)メモ>

 ◆出身 1994年(平6)7月10日生まれ。滋賀県大津市。

 ◆サイズ 187センチ、107キロ。右投げ右打ち。

 ◆出身校 比叡山では甲子園出場なし。高校通算47本塁打。

 ◆浪人 1浪して慶大の総合政策学部に入学。

 ◆ニックネーム 「慶大のエルドレッド」。広島の苑田スカウト統括部長が命名。

 ◆日本代表 侍ジャパン大学代表で今夏のユニバーシアード競技大会金メダルを獲得。

 ◆憧れ 背番号「13」は憧れのアレックス・ロドリゲス(元ヤンキース)から。

 ◆岩見ネット 今春、練習場の左中間方向に保育園が開園した。打球が越えないように、春季リーグ戦後にネットを高くした。右翼の「由伸ネット」に対し、「岩見ネット」と命名。

 ◆過去の4試合連続本塁打=83年広沢克己(明大)、04年田中彰(法大)、15年横尾俊建(慶大)。