V2井上年内にも米国進出へ「心の準備は出来てる」

世界戦一夜明け、腫れた拳で会見に臨んだ井上(撮影・河野匠)

 8日に2度目の防衛に成功したボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(23=大橋)が、年内にも米国進出する可能性が出てきた。9日、横浜市内のジムで一夜明け会見が行われ、大橋秀行会長が明かした。

 井上に、早期の米国デビュープランが浮上した。米大手ケーブル局のHBOが関心を示していると伝えられるなど、本場の期待は高まりを見せている。今後の方針について聞かれた大橋会長は「鎖国していたら笑われる。そういう話があれば、やらない手はない」と口調を強め、海外での試合に前向きな姿勢を示した。

 陣営は、V3戦となる次戦を9月ごろを予定している。興行権の関係で14年12月に勝利した前王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)との再戦が有力視されるが、大橋会長は「交渉次第でどうなるか分からない。次で向こうに行く可能性もゼロではない」と含みを持たせた。

 井上は2試合連続でランキング1位の挑戦者に圧勝するなど、スーパーフライ級にライバルは見当たらない。そんな状況で、近い将来のターゲットとなるのが、プロアマ通じて132戦無敗のWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)だ。昨年5月から、一足先に米国を主戦場とし、大型興行の中で存在感を示している。

 現役時代に、ミニマム級の22度防衛の世界記録を持つリカルド・ロペスと対戦した経験を持つ大橋会長は「同じ時代に伝説の人間がいれば、戦わなければいけない」と熱弁。対戦にはゴンサレスが階級を上げることが前提となるが、「井上もバンタムに上げたいのが本音。ただ、あと1年ぐらいならスーパーフライで待てる。ゴンサレス戦を米国でやれればという期待もある」と話した。

 試合で両拳を痛めた井上は、会見を終えると病院に直行した。骨には異常がなく、打撲と診断された。V2戦後のリング上でも、米国進出への思いを明かしており「向こうでやれるなら、やりたい。次戦で行けと言われても、心の準備は出来ている」と言い切った。1カ月程度は拳の回復を優先し、次戦に向けた準備に入る。【奥山将志】