山中慎介「残酷だけど気持ち良かった」3戦ぶりKO

6回、山中(左)はモレノに左ストレートを放ちダウンを奪う(撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級選手権12回戦>◇16日◇エディオンアリーナ大阪

 同級王者山中慎介(33=帝拳)が左で3度ダウンを奪い、日本歴2位タイとなる11度目の防衛に成功した。同級1位アンセルモ・モレノ(31=パナマ)との1年ぶりの再戦。1回にダウンを奪い、4回にはダウンを喫する打撃戦になった。6回に左ストレートでコーナーに吹っ飛ばし、7回もズドンと炸裂させて3度目のダウンを奪う。レフェリーが即座にストップし、7回1分9秒TKO勝ちした。

 前回は最後まで左で捕まえきれず、2-1の判定だった。決着をかけた一戦はスリリングな試合になった。初回に連打を食らっての劣勢に会場がどよめいたが、左ストレートで逆にダウンを奪った。モレノが2回以降も積極的に出てきて、4回には返しの右フックを浴びて山中が尻もちをついた。この時点の公開採点は2-0も僅差だった。

 山中は5回にも右フックからの連打に大きくバランスを崩した。ピンチも多かったが、モレノが攻撃的になったことでチャンスもできた。6回は見事に左ストレートをぶち込む。モレノはヨロヨロと後退してコーナーに沈んだ。立ち上がったがクリンチで逃げるのが精いっぱいだった。

 7回に決めた。ロープに追い詰めて連打を見舞う。最後は左ストレートで青コーナーへ吹っ飛ばすと、レフェリーがノーカウントで試合を止めた。先に王座を奪回していた長谷川がリングに上がり、2人で抱き合って喜んだ。「長谷川さんがいい試合をしてくれて、自分も強い気持ちでリングに上がれた。こうして勝って幸せな気分」とあんどした。

 これまで41戦してKO負けのなかった相手から、3試合ぶりのKO防衛を決めた。「モレノがきれいに倒れたのを見て、残酷だけど気持ち良かった。久ししぶりにKOで勝ててお客さんを喜ばせることができて良かった」と満足そうに話した。

 本田会長も「モレノが出てきてくれたことで面白い展開になった。右フックからワンツーに変えたことが良かった。今まで倒れなかった相手をあれだけきれいに倒した」と褒めた。