元世界2階級王者の長谷川穂積(35=真正)が、王者ウーゴ・ルイス(29=メキシコ)を9回終了TKOで破り、3階級制覇を達成した。

 長谷川は、天国の母へ2年遅れのプレゼントを贈った。前回の世界戦だった14年4月23日は、6年前に55歳で死去した母裕美子さんの誕生日だった。だが、IBFスーパーバンタム級王者マルティネスにKO負け。これ以上ないほど悔しい思いをした。それだけに長谷川は「誕生日プレゼントを渡すと決めて試合に臨んだんですけど、負けてしまって。2年越しになりましたけど、誕生日プレゼントを渡せて幸せです」と笑顔で喜んだ。

 前日の計量後は「できるだけダメージを負わない、母親が好きと言ってたボクシングを心掛けたい」と話していた。偶然のバッティングで左目尻からは出血したが、それ以外に目立った傷はない。最後は打ち合いを制したが、終始巧みなフェイントで相手に打たせず自らは打つ理想のボクシングを見せた。