白鵬ダメ押し寸止め 琴勇輝のまわしつかみ引き戻す

琴勇輝(左)を押し出した白鵬は、まわしをつかんで土俵に引き戻す(撮影・岡本肇)

<大相撲夏場所>◇8日目◇15日◇東京・両国国技館

 横綱白鵬(31=宮城野)が、自身の持つ最多記録を更新する41度目のストレートの給金直しを決めた。関脇琴勇輝を押し出し、無傷の8連勝。度重なる駄目押し行為で物議を醸していたが、軍配直後には寸前で踏みとどまり、悪癖を自制した。

 良くも悪くも、軍配後から目が離せない。土俵を割った琴勇輝に猛然と詰め寄った白鵬は、背中を向けた相手に左手をかけた。また駄目押しか-。と思った次の瞬間、われに返ったかのように右手を上げて闘争本能を制した。さらに琴勇輝を誘導して、土俵の中に呼び戻した。寸止めで踏みとどまったことについて「まあ、そんな感じだね」と認めると「今場所は早い。もう1週間でしょう」と満足そうに話した。

 春場所での駄目押しは、当時の井筒審判部副部長(元関脇逆鉾)の重傷につながり、謝罪した。今場所前の力士会では審判部が立ち合いの手つきなど土俵上の振る舞いの正常化を訴えたが、2日目、4日目、5日目と駄目押しにも見える行為を連発。6日目の朝には同じ伊勢ケ浜一門の友綱審判部副部長(元関脇魁輝)を訪ねる異例の形式で謝罪し「意識していかないといけない」と反省の意を示すなど、ドタバタだった。

 強いがゆえの課題が、他にもある。琴勇輝戦は立ち合いで左手を相手の目の前にかざすようにし、変化気味に右に動いて、かち上げを見舞った。相手に「行ったらいなかった。消えたと思った」と言わしめる注文相撲で、館内からはブーイングの声も上がったが「今場所は両足からの立ち合いがしっくりきている」と意に介さない。駄目押し騒動は沈静化したが、横綱ゆえに注文相撲にも厳しい目が向けられる。全勝ターンの後半戦は、正攻法で土俵を沸かせたいところだ。【桑原亮】