桂南光、ざこば変革実感…桂米朝さん魂継ぐ筆頭の座

今夏の米朝一門会を発表した桂南光(右)と桂文之助(撮影・村上久美子)

 毎年夏恒例の「米朝一門会」は、今年も大阪・サンケイホールブリーゼで、今月15日に開催されることになり3日、桂南光(64)桂文之助(60)が大阪市内で、記者会見を開いた。席上で、南光は、昨年3月に一門総帥の桂米朝さんが亡くなり、筆頭の座に就いた桂ざこば(68)について感じた「変革」を明かした。

 「僕の口から言うのも何ですけど、この1年余りで大きく人間として、はなし家として、成長されたなあと、感動を覚えました」

 南光は故桂枝雀さんの弟子で、米朝さんから見れば孫弟子。相手のざこばは米朝さんの最古参弟子だが、2人は年齢も近く、仲が良いことから、南光はざこばの「成長」を口にした。

 きっかけは今年2月、大阪松竹座で、米朝追善興行として上演された芝居「地獄八景亡者戯」だった。

 米朝さんの十八番を舞台化したもので、ざこばも出演。ざこばといえば、涙もろく人情家で、テレビで見せる顔がそのまま素顔といっても過言ではなく、南光も「あのまんまの人です」と認める。

 南光によると、その松竹座公演のけいこ中、ざこばは客入りを心配し、その責を一身に負うべく、けいこに励んだという。「いつもやったら、けいこ、ちゃちゃっとやって、飲みに行こかってなるんですけど、あのときは、そんな気配、一切なかった。全然、飲みに行けへんかった」。結果、芝居は大入りで「多くのお客さんを喜ばせているざこば兄さんを見て、僕は感激しました」と振り返った。

 「米朝師匠とはまったく違う(キャラ)というのは誰もが分かってて、ざこば兄さんは『おれに着いてこい』言うて引っ張るタイプやない。でも、実際に背中で(新リーダー像を)示された。もう、すごい、人間としても、はなし家としても成長されたんやと、ほんまに感激したんです」

 一門の新たな総帥に、南光は感動を覚え「あらためて、着いていこうと誓った」と語る。

 人間国宝で、上方落語の大看板だった米朝さんを失い、不安もあった一門だが、ざこばを中心に結束力を強めている。南光は「オレが言うても(後輩は)聞きませんし、まあ、オレは気に入った人間としか口ききませんけど」と笑わせながらも、それを実感する。

 今年の一門会は、南光や文之助ら、孫弟子が中心になり、上演。昨夏の一門会は直弟子による追善一門会だったが、今年は一門会も“変革”を遂げる。

 南光は「去年は直弟子が米朝師匠の得意ネタをやって追善興行でしたが、今年は孫弟子が中心になって、米朝師匠がやってないけど、でも米朝イズムを感じさせるネタを演じて、米朝イズムを感じさせる高座を見せたい」と話す。

 文之助は「米朝イズム」について「大師匠(米朝さん)や師匠(枝雀さん)に教えられたネタでなくても、やっぱりどこかで『師匠やったら何て言うやろ』とか考えながらやりますし、僕はまだおふたりとも、ここにいてる気がします」と言い、魂は身にしみ込んでいると訴えていた。