99.9最終話を0.1%まで楽しむ振り返り特集3

「99.9刑事専門弁護士 SEASON2」第7話の一場面(C)TBS

 嵐の松本潤(34)主演のTBS系日曜劇場「99.9刑事専門弁護士 SEASON2」(日曜午後9時)が18日に最終回(2時間スペシャル)を迎える。ニッカンスポーツコムでは、16日から3日間連続で放送された各話を振り返る。第3回は7、8話のおさらいと、18日夜放送の9話のあらすじを紹介する。(かっこ内の%は視聴率)

 ◆7話(4日放送、17・4%)

 斑目法律事務所の佐田篤弘(香川照之)が顧問弁護士を務める、オガタテクノロジーの緒方社長(ヒャダイン)は、会社の資金3000万円を引き出した後、姿をくらまして業務上横領の罪がかけられた。その上、失踪当日に佐田の個人口座へ300万円の振り込みがあったことも分かり、佐田は検察庁に出頭を命じられ、業務上横領ほう助の容疑で逮捕された。佐田はテレビに出て、国家賠償請求における、ゆがんだ裁判の実態を批判し、裁判所と検察に目を付けられていた。

 深山大翔(松本)と尾崎舞子(木村文乃)は、オガタテクノロジーを訪問。大河原孝正専務(佐戸井けん太)と経理担当の中村麻美(田中美奈子)は、緒方が経営が厳しい中、1年前にデジタルアートの新規事業進出のために子会社を立ち上げ、顧問を佐田が務めていたと説明した。深山は、広報の笹野桜(比嘉愛未)の立ち合いの下、緒方の自宅も調査し、パリでしか売っていないバッグのレシートを見つけ、そのバッグを持つ笹野に恋愛関係にあったのではと追及する。

 斑目春彦室長(岸部一徳)は、裁判所と検察の思惑で判決が固まっている可能性と佐田の危機を示唆した。その中、緒方の離婚した前妻満里恵(アンミカ)が、半年前に緒方が病院に行くと言って昼食をキャンセルしたことを伝えに来る。深山は佐田に接見し、その日、緒方が赤羽に行くため打ち合わせ時間を変更したと知り、病院を突き止め、緒方が不整脈P型右室心身症という薬を飲まないと死に至る病気だったと知る。

 深山は、その上で笹野に、男性もののスーツをクリーニングに出していたことを追及。笹野は3カ月前から緒方と交際していたと明かすが、緒方の病気については知らず、緒方のスーツと黄色い眼鏡を捨て“証拠隠し”をしていた。深山、緒方が黄色と黒の2本の眼鏡しか持っていなかったこと、黒の眼鏡は社長室にあったことから、緒方が生前、最後にいたのは笹野の家で笹野が緒方を殺したのでは? と問いただした。笹野は緒方が自分との連絡用に別に携帯電話を持っていたと明かし、録音された音声を公開。そこには、失踪当日、黒い眼鏡をかけたと語る緒方の声があった。

 深山は大河原と中村に、あえて笹野が緒方殺しの犯人の可能性が高く、緒方が笹野との連絡用に持っていた携帯電話のありかを調べ、遺体の場所を探すと伝える。その夜、深山は大河原と中村が土を掘り返している現場を押さえる。2人は子会社設立に反対し、緒方を絞殺したと明かした。佐田は無事に釈放された。

 ◆8話(11日放送、18・0%)

 元文部科学大臣・藤堂正彦議員(佐野史郎)の選挙事務所で、送られてきたようかんを食べた藤堂と妻の京子(森口瑤子)、後援会長の金子源助(原金太郎)、第一秘書の上杉の4人のうち、上杉が死亡。京子も意識不明の重体に陥った。送り主のニシカワメッキ社長・西川五郎(おかやまはじめ)が逮捕・起訴され、西川は斑目法律事務所に弁護を依頼した。

 西川が購入したという、ようかんに混入されていた毒物セトシンは鑑定の結果、西川の会社が保有するものと一致した上、西川は事件の1カ月半前に新規事業の陳情に行き、藤堂に断られていたという動機まで発覚していた。セトシンは厳重に管理され、西川しか取り出す権限がなかった上、最後に取りだしたのは事件の2カ月前で、使い切っていた。深山は西川がセトシンを隠し持っていたとする検察の捜査には矛盾があると考えた。

 斑目所長の紹介で、個人で鑑定をやっている元科捜研の沢渡清志郎(白井晃)に鑑定を依頼。沢渡が提唱する新方式での鑑定の結果、西川の持っていたセトシンはようかんに混入されたものとは別で、ようかんに混入されたセトシンは2年前に発生した島根の毒殺事件で混入されたものと一致したとの鑑定結果が出た

 深山と舞子は島根に飛び、2年前の事件でセトシンを盗まれた平塚冶金(やきん)工場を訪れ、社長の平塚頼長(中村まこと)に話を聞く。平塚は管理を厳重にし、誰にも盗むことは出来ないと言い、盗まれたセトシンも警察が全て持っていったと説明したが、深山は藤堂の話をした途端、平塚が動揺したのを不審に思う。東京に戻って調べると、平塚は藤堂が大臣時代に仕事を受注し会社を立て直していたことが判明した。

 また深山は、平塚の机に亡くなった藤堂の父の写真があったと思い出す。さらに「週刊ダウノ」記者の清水かずきから、亡くなった上杉が藤堂のスキャンダルを記者に告発しようとしていたと聞かされる。さらに上杉の遺品の中から、藤堂が銀座のクラブのママ・ゆう実(緒方かな子)と不倫している証拠写真と告発文を発見。島根に飛んだ舞子からも、平塚が藤堂の父と不倫相手との間に生まれた異母兄弟との情報が入る。

 深山は現場検証を徹底した上、京子に会い、藤堂に愛人がいること、上杉が告発しようとしていた、ゆう実が藤堂の依頼でようかんを買ったことを告げる。京子は事件前日に、自宅に事件のものと同じようかんがあったと語り、舞子は裁判で証言するよう依頼する。

 ただ裁判では、舞子の裁判官時代の上司・東京地裁所長代行・川上憲一郎(笑福亭鶴瓶)裁判長が、深山らの強引な誘導が京子の証言をゆがめたと指摘。裁判員との評議でも、判断できない毒物の鑑定結果ではなく、判断できるもので考えるよう指示した結果、西川に無期懲役の判決が下る。

 深山は再度、事実の洗い直しを誓う。そして事件現場の写真から、ようかんを食べる際に使った、つまようじ入れがないと知り、藤堂の選挙事務所を再訪して探す。つまようじ入れは、廃棄書類用の段ボールに入れられていたが、その後、選対職員がポットを置いた棚に戻していた。つまようじ入れを鑑定した結果、3つに分かれた入れ物には、致死量のセトシンがしみ込んだもの、薄めたセトシンがしみ込んだもの、何もしていないもの、3種類のつまようじが入っていた。

 深山は、そのことを黙って再現実験をしたところ、藤堂と京子はようかんを食べるのをちゅうちょし、真犯人だと判明。京子は藤堂の不倫を知りつつ、発覚すれば夫が選挙に落選し、自分がただの人の妻に落ちるからだと明かし、西川は無罪となった。

 ◆9話(18日放送)

斑目法律事務所のもとに久世亮平(中島裕翔)と祖母トキ子(茅島成美)が弁護の依頼にやってくる。亮平の父で被告人の貴弘(小林隆)が死刑判決を受けた「8年前の建造物放火及び殺人事件」で、2人はどうしても貴弘の犯行とは思えないのだという。母を殺害された被害者でありながら、犯人の息子として世間から疎外されてきた亮平の心中を察する深山らだが、依頼を受けることは「再審請求」の必要を意味していた。

 戦後70年で死刑または無期懲役の判決後、再審請求が通り無罪を勝ち取ったのはわずかに9件しかない極めて困難な事例の上、8年も前に起きた事件の証拠を集めるのはあまりにも難しく、「開かずの扉」と言っても過言ではない。佐田は依頼に後ろ向きだが、深山と舞子はすぐに貴弘の接見に行くと、当時の警察が亮平の存在を利用して揺さぶりをかけ、無理やり自白させた事実を知った。

 深山たちは過去の裁判記録をもとに調べを進める中、ある矛盾に気付き再審請求を行うが、川上は無理難題を押し付け、絶対に通そうとしない。絶体絶命に追い込まれた深山らは、事件が起きた当時、アパートに出入りしていた中原銀次(山本浩司)、海老沢晋(成河)、島津ヤエ(根岸季衣)の3人に話を聞き、過去の捜査で見落とされた決定的な事実に気付く。