ダメ父草なぎ剛に「しっかりしろ」独立後映画2作目

映画「まく子」に出演する、左から新音、山崎光、草なぎ剛、須藤理彩

 草なぎ剛(43)が直木賞作家・西加奈子氏原作の映画「まく子」(来年公開、鶴岡慧子監督)に、小学生の父親役で出演することが15日、分かった。映画出演は16年末のSMAP解散後、先月公開された映画「クソ野郎と美しき世界」に続き2作目。「おじさんだけど、これからも輝き続けようと思いました」とユーモアを交え意気込んでいる。

 同作は山崎光(14)が主演。山崎演じる小さな温泉街に住む主人公の小学5年生、南雲慧(さとし)が、不思議な魅力を持つ美少女転入生と出会い、思春期ならではの葛藤を抱えながら大人へと近づいていく姿が描かれる。草なぎは、不倫などをしてしまうダメな父親・光一を演じる。撮影は、3月末~4月上旬にかけ群馬・四万(しま)温泉付近で行われ、すでにクランクアップしている。

 このほど日刊スポーツの取材に応じた草なぎは「子供から『お父さんしっかりしろよ』と言われてしまう、そんな父親です」と苦笑い。しかし、若い2人との共演は刺激になったようだ。草なぎ自身も中1で芸能界入りしたことから「僕も同じくらいの時に仕事を始めているので、当時のことを思い出し『その時感じていたことは今も感じているのかな』と考えたりしました。この年になっても、緊張もするし、人と比べてしまったりもします。『気持ちはなくならないなぁ』と思うのと、それはすてきなことなんだなと、感じました」としみじみ話した。

 一方「山崎君たちは『監督のひと言ひと言を聞き逃さないぞ』って純粋な目をしている。僕はいつからすれちゃったのかなって。早く終わっておいしいもの食べたいとか思っちゃうし(笑い)。撮影への姿勢がビシビシと伝わってきた」と、「おじさん」世代として思いを新たにした様子だ。

 福山雅治主演映画「真夏の方程式」(13年)などで注目され、今回映画初主演となる山崎は「思春期で子供から大人になっていく過程での複雑な気持ちを表現するのが難しいと思ったのですが、僕も、同じような境遇で重なるところが多く演じやすかった。とても不思議で魅力的な作品なのでたくさんの方に見ていただけたらうれしいです」と話した。【上岡豊】

※草なぎのなぎは、弓ヘンに前の旧字体その下に刀

 ◆「まく子」 16年に西加奈子氏が発表した小説。映画では、美少女転校生を新音(にのん=13)が、慧の母を須藤理彩(41)が演じる。テレビ朝日系「アメトーーク!」で芥川賞作家でもあるピース又吉直樹がおすすめ作品として紹介したこともある。西氏は「私にとって特別な思い入れがあるこの作品を映像にしていただけることも奇跡。素晴らしいスタッフに恵まれ、それだけでこの作品は祝福されています。完成がほんとうに楽しみでなりません」とコメントした。