チャンス大城(47)が初の著書「僕の心臓は右にある」(朝日新聞出版社)を発売した。帯を書いた千原兄弟のジュニア(48)からは「即映画化」、せいじ(52)からは「こんなオモロいやつが今までどこに潜んでいたのか。地下芸人の壮絶な半生、ここにあり」と激賞された。本の反響、笑いの原点、現在地、これからを語った。(全4回の4回目)
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著書では、山に埋められたり、いじめを受けたり、鬱(うつ)になったりと壮絶な半生をつづっている。生まれ変わったらどうなりたいか、聞いた。
「ピアノとか弾きたいですね。バンドやりたいな」と天井を見つめたが、数秒後、「芸人やるでしょうね。同じことすると思いますよ。まったくおんなじこと。やっぱり。絶対同じ失敗します。あほやからね」。
芸人は天職だと思うか。「僕に天職の仕事なんかないと思いますね。強運の持ち主です、ぼくは。まじで。本当にありがたいですね」。
本の中には、占いが当たると地元で有名だった姉から、上京前に「54歳で、プチブレークする」と伝えられたことが記されている。
「姉の予言は外れたということですね(笑い)。ゲッターズ飯田さんに、『2023年の後半から、大城さん役者であたるんで』って言われました。『え、芸人ちゃうんや』って。ちょっと準備しようっていっても、どう準備すんねんっていうね。役者でブレークってほんまかな。当たったらいいですね」とまんざらでもなさそうだ。
地下から地上に出てきて、日が当たるようになった。目標は何かあるのか。
「目標にしている番組に出られちゃったんですよね。『(さんまのお笑い)向上委員会』にでられちゃったんで、『向上委員会』で荒らすっていうのが目標だったので。あとは『水曜日のダウンタウン』で、ドッキリかけられるっていうのが目標だった。だからかなえちゃったんですよね、ははは。でもなんか、ネタやっていきたいですね。ルミネ(theよしもと)本公演出たいとかっすね」。
著書中では、「路上魂」というワードが出てくる。「ずっとホームレスすれすれの生活をしてきたから、地べたの方が落ち着くんかな。きっと僕の体の中に、路上の気分があるんだと思います」と書いた。
その真意について聞くと、「なんかその路上の、油くさい感じで、誰にも負けないような。ちょっとみんなおしゃれじゃないですか、お笑い。言葉選びとか、うまい例えとか、センスのあるツッコミとか。なんか油くさい感じでやっていきたいですね。センス系とかよくわからないので。地上のテレビでは負けるけど、地下では負けへんぞっていうかね」と地下芸人のプライドをのぞかせた。
チャンスの考える地下芸人の魅力とは何なのか。「テレビへの憧れも強いし、センスバキバキのこと言うのもかっこいい」としながら「ほんまに言うたらあかんことは、ライブでも言うたらダメと思うんですけど、テレビで言えないことを言ったり、ド下ネタとかね、そういうのは面白いですよね。地下ライブでも、おもろい笑いはいっぱいあります」と静かに語った。
今や、地下芸人界ではスターのような存在になっているチャンス。浮かれることなく、「路上魂」を胸に笑いを届ける。(終わり)
地下芸人ブームの火付け役チャンス大城 初著書が著名人から激賞の嵐で映画化の夢膨らむ/連載1