政界地獄耳

首相と幹事長だけに天の声/政界地獄耳

★参院選翌日、首相・安倍晋三は「この選挙では憲法改正も大きな争点となりました。街頭演説のたび議論を前に進める政党を選ぶのか、それとも議論すら拒否する政党を選ぶのか。今回の参院選はそれを問う選挙だと私は繰り返してきた。少なくとも議論は行うべきである、これが国民の審判であります」と国民が憲法改正を支持した結果の勝利という分析のもと、憲法改正を国民が望んでいるとの“拡大解釈”を打ち出した。

★だが、7月1日の読売新聞によれば選挙直前の国民の選挙の争点や関心事は(1)年金など社会保障(2)景気や雇用(3)子育て支援(4)外交や安全保障に次いで憲法改正と決して高くない。17日に発表された時事通信の8月の世論調査の結果が興味深い。安倍政権下での憲法改正について「反対」が41・3%で「賛成」の32・1%を上回った。同社の7月の調査では参院選後に改憲議論を進めることに「賛成」は41・2%で、「反対」は26・3%だった。それは国民が自民党は選挙に勝ったとは判断していないことの表れではないか。

★一方、首相は外遊などが落ち着く9月中旬に自民党人事と内閣改造を計画する。最大の焦点は幹事長だろう。既に幹事長・二階俊博は在任期間が3年を超え、80歳になる。体調面も含め交代論も党内には渦巻くが、二階の党内サバイバルは安倍3選をいち早く言い出し党内をまとめたこと。今回も4選を言い出し、ポジションを守ろうとするのではないかと言われる。既に二階は3月に安倍4選に触れ「党内外、海外からの支援もある。この状況では十分あり得る。余人をもって代えがたいというときには何ら問題はない」としている。首相も幹事長もどこからもそんな声が出ていないのに、特別に天の声が聞こえるのだろうか。国民から見ればただの自民党人材難ではないか。このご都合主義にはしらける。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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