政界地獄耳

【政界地獄耳】自民党自体のレベルの低下 さまざまな分野での胆力低下、人材不足は否めない

★連休を利用して昨今の政党事情を整理してみた。自民党と政治とカネは切っても切れないが、裏金問題がここまで発展するとは思わなかったのではないか。東京地検特捜部が党の幹部級を軒並み捜査すると国民は期待する。だが、リクルート事件も佐川急便事件もいずれも相当数の大物政治家の名前が取りざたされたものの、逮捕者は大物とは言い切れず、それもごく小人数。検察のメディアを使って風呂敷を広げる手法は相変わらずで、検察は手をつけなかったものの、市民団体などが刑事告発していた前政調会長・萩生田光一、元経産相・世耕弘成を2日、地検特捜部はいずれも嫌疑不十分で不起訴にした。

★世耕が政倫審で「嫌疑なし、真っ白」と胸を張ったのに今では離党の身。世耕の判断は昭和の政治そのものの価値観。そこからアップデートできていなかった。だが、自民党議員の不祥事は政治とカネだけではない。最近でも女性問題が報じられ、先月25日付で議員辞職した前防衛副大臣・宮沢博行は「欲を抑えきれなかった」とした。自民党衆院議員・武井俊輔の乗った事務所の車は国道で91キロを出していたが、それを自らネットに上げ、謝罪会見を開いた。同議員は3年前にも都内で車検切れで無保険の車を秘書に運転させ、当て逃げ事故を起こしている。

★自民党自体のレベルの低下。政治家としての自覚、倫理観やモラルの低下。国民の代表であるとか与党の一員である覚悟など、さまざまな分野で胆力が低下、人材不足は否めない。それは小選挙区制になったからだとか、派閥の機能が作用しないなどの小手先の話ではない。与党政治家としての万能感、権力のうまみだけを感じ、その責任や危険さを感じない、与党の庇護(ひご)の下ならば無理が通るという感覚ではないか。昭和の政治は往々に古くて、悪い政治の例えに使われがちだが、特権的なふるまいはあったにせよ、昨今のような勘違い政治家はあまりいなかったし、国民のため、平和のためという思いが絶えずあったのではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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