政界地獄耳

【政界地獄耳】衆院3補選の結果が出れば今後は茂木敏充の進退が焦点 自民党の瓦解で政治が動く

★政界は28日投開票の衆院3補選の結果を固唾(かたず)をのんで待つ状況だ。自民党は島根1区に候補者を立てているが、2つの不戦敗も含めて、決して楽な選挙ではない。21日、全国ではさまざまな選挙が行われたが、任期満了に伴う東京都目黒区長選は無所属現職が票は減らしたものの当選。6選を果たした。無所属新人の元都議(国民民主党、都民ファーストの会推薦)や立憲民主党推薦、社民党・共産党支持、自民党推薦候補ら4人を破った。多選批判で関心は薄いかと思われたが、投票率は低投票率ながら、前回を2・88ポイント上回る36・21%だった。既成政党は現職に歯が立たなかったが、ことに都知事・小池百合子が特別顧問を務める都民ファーストの敗北は、次期衆院選挙で同党が都内で複数候補を擁立するとの戦略を左右しかねない。

★愛知県碧南市議選は定数22に対して26人が立候補したが、作家・百田尚樹と名古屋市長・河村たかしが共同代表を務める政治団体「日本保守党」の公認候補が、党公認の第1号当選者となった。日本維新の会やNHK党(現・みんなでつくる党)も地方議会で議席を持ち、国政へ勢いをつけた。2大政党で政権交代をやりやすくするという選挙制度に変わってから約30年。制度ではなく、自民党の瓦解(がかい)という形で政治が動こうとしている。

★思えば先週、自民党総務会長・森山裕は「国民政党として選択を狭めてしまったことは重い責任だ。勝ち負けは別にして、信を問うべきだった」と、戦わずして負けを認めたことに強い不快感を示したが、背景には幹事長・茂木敏充への責任論があるという。自身にも“政治とカネ”に不透明な部分を抱える茂木は党議員の処分を決めたものの“政治とカネ”という不祥事全体への責任論もある。また派閥解体を首相(総裁)が言い出しても茂木派は存続させ、最近になって解体が決まったばかりだ。この動きは、既に総裁選挙が始まっているといえるだろう。今後は茂木の進退が政局の焦点に浮上する。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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