陸上男子短距離の山県亮太(25=セイコーホールディングス)が2年ぶり3度目の優勝を果たした。
予選は10秒24、決勝は10秒17だった。「何としても優勝したかったので、うれしい」。タイムには満足できなかったが、思い出の舞台を制し、喜びはひとしおだった。
広島で高校時代まで生まれ育った。織田記念国際にも小学生時代から出場。幼少期はいろんなトップ選手にサインをもらいにいった。110メートル障害で2度五輪に出場した内藤真人さん(37)から、目を見て握手してもらったのは特に今でも覚えている。「そうやって育てられた」と言う。
時が変わって今。自分が子どもたちから憧れられる存在となった。予選後、サブトラックで決勝の修正点の思案を巡らせている時。大勢の子どもたちがサブトラックの外で色紙を持って待っていた。
レース前はファンサービスを控えるのが一般的だが、2度も時間をつくってサインに応じた。競技場へは列をなすファンとハイタッチして入った。
子どもの頃にトップ選手と触れ合い、最高の思い出になった経験があるから、ファンを大事にする姿があった。【上田悠太】