宮里優作、痛恨ダボに「論外」賞金王へV条件の重圧

17番ロングでツーオンに成功した宮里優(撮影・丹羽敏通)

 賞金ランク2位の宮里優作(37=フリー)が最終18番で痛恨のダブルボギーをたたいた。4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの69で回り、通算2アンダーの138で前日と同じ首位と3打差の8位。逆転賞金王には優勝が必須。一時はトップに並びながら、最難関ホールの4パットでチャージに失敗した。ランク3位のチャン・キム(27=米国)が腰痛で棄権し、タイトルの行方はランクトップの小平智(28)、同4位の池田勇太(31)を含めた3人に絞られた。金庚泰(31=韓国)が通算5アンダーで単独首位に立った。

 宮里優の表情がこわばっていた。「論外ですね」。この日最高難度の平均スコア「3・483」を記録した名物ホールの18番パー3。手前から「強めに入れた」12メートルのファーストパットがカップを2メートルオーバーした。「ちょっとフック」で読んだ返しが大きく曲がり、ボギーパットも「真っすぐかなと思ったらフック」。きつい傾斜のラインに翻弄(ほんろう)された。

 チャンスホールの17番を取ってトップに並び、後続が17番を残していることを考慮しても「(少なくとも)1打差、2打差くらいで終われるんじゃないか」という算段だった。上位が伸びず、ダブルボギー締めでもスタート時と同じ3打差に踏みとどまったが「それだけにちょっとね…追いついておきたかった」。むしろ悔しさばかりが募った。

 第2日はドライビングディスタンスとパーオン率で単独1位、フェアウエーキープ率も3位につけ、ショットに関する項目は軒並み上位。グリーンを的確に捉える分、パット数は増えるが、合計35パットはプレーした29選手で最も多かった。「急にパターがおかしくなっちゃって…どうしたものか。アライメント(アドレス時の体の向き)を含めて、ちょっと確認します」と練習場へ向かった。優勝しか許されない重圧。乗り越えた先に賞金王の栄冠がある。【亀山泰宏】