【平昌(韓国)8日=峯岸佑樹】平昌パラリンピックは今日9日午後8時から平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スタジアムで開会式を行い、10日間の熱戦が幕を開ける。

 メダル量産を狙うノルディックスキー代表は開幕を翌日に控え、雪の舞う会場で雪質を確認した。同行する気象会社「ウェザーニューズ」の気象予報士2人も選手の動きを注視。10年バンクーバー大会距離立位1キロと10キロで2冠の新田佳浩(37=日立ソリューションズ)は「的確な天候情報はアドバンテージになる。他のチームにない日本の強み」と誇らしげに言った。

 同社は、会場コース20地点を観測済み。1時間ごとの天候や気温、雪面の硬さなどを選手に随時、情報提供する。滑走競技は天候に影響されやすく、状況に応じた「ワックスの選択」がカギとなる。

 昨年3月の平昌ワールドカップ(W杯)では悪天候の予報が的中し、新田が優勝するなど複数のメダルに貢献した。同社は16年リオ五輪・パラリンピックでも7競技をサポートした信頼もある。3月の大会は気温上昇で予想が難しいとされるが、同社の浅田佳津雄さんは「不自由な部分が多いパラアスリートは気象の影響を受けやすい。有利な情報を持っていれば準備や対策が出来る」と力説した。メダルラッシュを目指し、日本の知恵で天気も味方にする。

 ◆ウェザーニューズ 1986年(昭61)6月設立。全世界に向け24時間365日、ニーズに合わせた気象情報サービスを開始。世界21カ国を拠点とし、予報や観測などを展開する。00年12月に世界で初めて気象情報会社として株式上場。本社は千葉市で、資本金は17億600万円。草開千仁社長。従業員826人。