ノルディックスキー距離の男子スプリント・クラシカル立位の新田佳浩(37=日立ソリューションズ)は銀メダルだった。

 ラストの直線勝負に、新田佳の4年間が凝縮されていた。4人でもつれたメダル争い。スキーとストックを懸命に動かして2位に滑り込んだ。「抜かれかけて、また巻き返したのは今回一番大きな収穫」と新田佳。表彰台を逃した14年ソチ大会後、「苦しい中でいかに体を速く動かせるか」に重点を置き、国の医科学支援で肉体改造してきた。その成果が最後に生きた。

 98年長野大会から6大会連続出場。2冠を達成した10年バンクーバー大会以来2大会ぶりのメダルは、家族の力も大きかった。観客席には長男大翔君(7)と次男健翔君(4)がいた。「レース中も子どもたちの声援が聞こえて励みになりました」。もっとも銀メダルには悔しさの方が強いという。「(17日の)クラシカル・ミドルで金メダルを取れるようにしっかり準備したい」。新田佳はさらにいい色のメダルで、家族をもっと喜ばせるつもりだ。