【外国人選手の悪影響】罰則も報復もユルユル日本は盗難天国「どうせクビなら」の末路

現場取材歴が長いベテラン記者が、さまざまな角度からサイン盗みを考察します。連載第13回は「外国人選手の影響」。日本と海外ではそもそもの考え方が違うはずですが、悪~い影響を受ける場合もあるようで。(2019年5月24日掲載)

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★「旅の恥はかき捨てろ」

プロ野球界にサイン盗みがなくならない大きな理由のひとつに、外国人選手の存在が挙げられる。

日本に来る外国人選手の大半は、メジャーで通用しなかった選手。今でこそ日本をステップにして、再びメジャーを目指す選手もいるが、ほとんどは大金を稼ぐラストチャンスを求めている。

崖っぷちに追い込まれた選手は厄介で、自分が成功するためには何でもやる傾向が強い。

「どうせクビになるのなら…」という思考が、どこに行き着くかは簡単に想像できるだろう。サイン盗みが簡単に摘発されないのも知っている。大きなペナルティーも、選手に実行された例はない。悪いことであっても、刑法に抵触する行為でもなく、バレてから帰国しても、周囲からとやかく言われる心配もない。

そうした環境が“反則行為”を実行しやすくする。「旅の恥はかき捨てろ」とばかりに実行に移す。

何年か前の日本シリーズでも「サイン盗み」をしているチームがあった。日本シリーズはテレビカメラの台数も多く、普段は映らない瞬間でも映る。打者の不自然な視線の動きや、走者やベースコーチの不自然な動きは、随所に見えた。

きちっとした証拠はなかったが、後に移籍した外国人選手はサイン盗みを自供。「対戦するときは気を付けろ」と、自軍を気遣っての告白だが、笑うに笑えない話だ。

すぐに移籍したり、引退すれば母国に帰る選手は、口が軽い。サイン盗みのうわさがあるチームを探ってみると、多くの場合、外国人選手が“言い出しっぺ”になっている。

★置き引きと同じ「盗まれた方が悪い」

海外旅行に行くと「置き引きに気を付けろ」と注意されるだろう。海外では「盗まれた方が悪い」と聞く人も多いのではないか。その論理は、そのまま野球界に当てはまる。メジャーでは、南米の選手同士で守備側の選手が敵のチームの打者にサインを送るケースまであるという。日本では考えられない話だろう。

ただしメジャーでは、やられた側の仕返しは強烈だ。

プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。