【ルポ】奇想天外 決勝を練習試合に/奄美大島の公立高・大島に行ってきました〈3〉

鹿児島と沖縄のほぼ中間に位置する奄美大島。2021年(令3)7月26日に、徳之島、沖縄東北部及び西表島とともに国内5件目の世界自然遺産に登録されました。人口約6万人、亜熱帯の離島から、鹿児島県立大島高校は、22年春のセンバツに出場。同年のドラフトでは、エース左腕の大野稼頭央投手(18)がソフトバンクから4位指名を受けました。純に野球に打ち込むしまっちゅ(島人)たちをルポします。4回連載の第3話。

高校野球

九州国際大付に3回10失点 発想の転換

大島高校の塗木監督は、チーム強化のために大胆な采配をしたことがある。21年11月12日の秋の九州大会、九州国際大付(福岡)との決勝だった。

球数制限のため、エース大野は登板できず。3回までに10失点する一方的な展開を強いられた。だが、指揮官はナインに奇想天外な言葉をかけた。

「もうここからは練習。この試合を利用する」