【鋭い仮説】ハム達孝太 終速が落ちない=ナイスボールじゃない/ファーム通信〈2〉

日本ハム達孝太投手(19)が投げたい究極のボールとは―。将来のメジャー挑戦も視野に入れながら、日々の鍛練を積んでいる新時代のエース候補の〝野球脳〟に潜入しました。高校時代から投球データの測定ツール「ラプソード」を個人的に使用し、21年ドラフト1位でプロ入りを果たした右腕が、描く理想像や投球論を語りました。

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◆達孝太(たつ・こうた)2004年(平16)3月27日生まれ、大阪府出身。浜寺昭和小4年で高石スワローズに所属し、捕手。浜寺南中では泉州阪堺ボーイズに所属し、投手。天理では1年夏からベンチ入り。甲子園は3年春のセンバツで初登板し、先発でベスト4進出に貢献。21年ドラフト1位で日本ハムに入団。昨年9月25日の1軍デビュー戦では、楽天戦に先発し3回1安打3四球で無失点に抑えた。194センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1000万円。

「難しい話になるんですけど」

――プロ2年目のシーズンが開幕。自身の現状は?

この前(4月1日ロッテ戦)、5イニング投げて(1安打無失点)。状態は悪かったですけど、抑えられてはいるので、いいのかなと思いますけど。自分の状態がいいことよりも、抑えていることが一番だと思うので。そこだけ見れば、いいのかなと思うんですけど、やっぱり自分が納得してないので。

――どこに納得していない?

ボールの質は、今この体で、このボディーバランスで、もうちょっと(良くなるはず)。練習では結構いい球が投げられているので、バッターが立った時に、自分が納得いくボールが投げられてないので。

――それはスピードとかの問題なのか、球質の問題なのか

まあ感覚的に言うと、質です。

――もっと求めたい部分は?

簡単に言えば、軽く投げて、もっと勢いがあるボールを。軽くっていうか、力感なく投げて、その力感以上のボールが投げられるようになれば。

――初速と終速の差がない、伸びるようなイメージのボールを目指している?

いやそれは、あの…ちょっと難しい話になるんですけど。自分の考え方なんですけど、初速と終速が近ければ近い方がいいと言うじゃないですか。

22年の9月25日、楽天戦でプロ初登板、初先発。3回を投げて無失点

22年の9月25日、楽天戦でプロ初登板、初先発。3回を投げて無失点

でも、それだと例えば、ピンポン球を思いっきり投げるじゃないですか。最後って、めちゃくちゃホップするじゃないか。でも結構(スピードは)遅くなるんですよ。で、ポトンって落ちるイメージじゃないですか。だから結局、初速と終速が近ければ近いほど、自分はボールは伸びないと思っているんですよね。

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