【日本ハム・姫野優也】「俺が一生…」中田翔のマネジャー/さよならプロ野球〈13〉

引退―。プロ野球選手にとって不可避の岐路は、新たな人生への「入団」でもあります。オフ恒例の大河企画「さよならプロ野球」で、青年たちの希望の光を追います。2023年の第1弾は日本ハム・姫野優也投手(26)。

プロ野球

◆姫野優也(ひめの・ゆうや)1997年(平9)4月2日生まれ、大阪府出身。高校は天理(奈良)を1年春に中退し、大阪偕星学園に編入。3年夏の甲子園では2回戦で本塁打を放った。15年ドラフト8位で外野手として日本ハム入団。18年に2試合出場も4打数無安打で以後は1軍出場なし。21年から育成選手となり、同年6月に投手登録へ変更も支配下選手登録はならなかった。184センチ、96キロ。右投げ右打ち。

「僕、一生2軍だったので」

日本ハムから戦力外となった姫野は、現役引退を決断した。

外野手として始まった激動のプロ野球人生に区切りを付け、向かう第2の人生は「来年から、中田翔さんの個人マネジャーをします」。日本ハム時代の大先輩のもとで再出発を決めた。

出会いは、8年前の冬。15年ドラフト会議で日本ハムから8位指名され、入団が決まった後のことだ。知人を通じて、地元大阪で開催された野球教室に足を運んだ。「その時に初めて、お会いして」。その場に子どもたちの先生として訪れていた中田がいた。

その日の夜は食事にも連れて行ってもらったが、プロ入り後は「僕、一生2軍だったので」と1軍で主力の中田とは、すれ違いの日々。

顔を合わせるのはシーズン後の球団イベントのみ。それでも会うたびに声をかけられた。〝お前、ちゃんとやってんのか?〟と。

本文残り77% (2436文字/3156文字)