メジャーも一時「投高打低」 脱却に至った複数の要因とは/調査報道2024〈3〉

近年、日本プロ野球は急速な「投高打低」が続いている。昨季、両リーグで規定打席に届いた打者のうち、打率3割を超えた選手は3人しかおらず、日本人はソフトバンク近藤だけ。一方、防御率1点台で規定投球回に達した投手は6人もいる。西武時代の松坂大輔氏の最高防御率が2・13(06年)だったことを考えれば、どれだけ異常な現象が続いているか、分かってもらえるだろう。打者の長打率は下がり続け、投手の球速は上がり続けている。「投高打低」の原因はなんなのか? 今後も続くのか? さまざまな角度から分析し、「投高打低の真実」として、6回連載で検証してみよう。

プロ野球

最高値4・83と最低値4・28 差はわずか0・55

日本球界の「投高打低」に対し、野球界において世界最高峰といわれるメジャーの事情はどうなっているのだろう? プロ野球で得点が下がり始めたのと同時期の18年からのメジャーの1試合平均得点を出すと、

◆メジャーの1試合平均得点


18年4・45
19年4・83
20年4・65
21年4・53
22年4・28
23年4・62
24年4・39

4点台を割った年はないが、前年を下回った年は6年間で4度。得点力は下降しているとも言えるが、「投高打低」というほどの数値ではないだろう。

19年の4・83を最高値として、最低値だった22年の4・28との差が0・55しかない。この間の日本の平均得点は、最高値が18年の4・32で最低値が24年の3・29。1・03もの差がある。

さらにいうと、19年のメジャーは史上最多の本塁打数をマークした年だった。近年では前年と比べて得点が下がった年が多かったのも、この年の得点力が高すぎたのだろう。「投高打低」の影響で得点力が下がったわけではないという見方ができる。

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。