【ゆなすみの言葉】涙の長岡柚奈に授けた森口澄士の考え 大躍進の裏側/現地限定
【ヘルシンキ=竹本穂乃加】海外GP初出場の“ゆなすみ”こと長岡柚奈(ゆな、19)、森口澄士(すみただ、22)組(木下アカデミー)が、8組中6位に入りました。
フリーは全体3位の120・05点を記録し、合計171・80点。2日前のショートプログラム(SP)後に心が揺れた長岡を森口が支え、巻き返しにつなげました。
2人の絆が見えた現地取材メディア限定のフリー後、演技から時間を置いて設定された囲み取材でのやりとりを「ゆなすみの言葉」として、お届けします。
フィギュア
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第5戦フィンランド大会>◇11月17日◇フィンランド・ヘルシンキ◇ペアフリー
「すみくんが来て『一緒に食べよう』」
フリーを終えて
―パーソナルベストですね
長岡完璧な演技ではなかったんですけど、サイド・バイ・サイドジャンプ2つとも入れて、スロージャンプは両足着氷とステップアウトになってしまったんですけど、転倒することなく一応耐えることはできて。リフトも自分たちができる最高のものではないリフトもあったんですけど、質の高い方、満足できる方なリフトはできたと思うので。こうしてパーソナルベストを出せて、とてもうれしいです。
森口西日本後からずっと目標にしていたショート60点はNHK杯で更新できて、フリーは願わくば125(点)を目標にしたんですけど、120点を最低限の目標にしていたので、そこを2人で達成することができて、すごくうれしいです。
―一昨日はミスがあり、どう立て直してきましたか
長岡私はショートプログラムが終わった日の夜ご飯の時、ジャンプのことでちょっと相談させてもらって。ジャンプ練習では跳べるのに、曲かけになったら跳べないっていうか、本番で跳べなくなっちゃうので「どうしたらいいのかな」という話をさせていただいて。15~20分ぐらい、ずっと真摯(しんし)に向き合って、いろいろとアドバイスいただいて。それを今回のフリーで、ちゃんと意識をちょっと変えて、いろいろと試してみたら、どっちとも降りられたので。反省点から改善できた。話を聞いて一緒に改善できたっていうのが、私としては大きな収穫かなと思います。
―森口選手から、どのようなアドバイスがありましたか
森口まずジャンプをする時に、やっぱりミスのイメージが湧いてくるとか、どうしても本番になったらできないっていう話で。ミスのイメージがないと、ミスとは戦えないから、急に何も考えずにいくよりは、ミスをすることを分かって、ミスをするイメージをしたままいった方が、自分のいつも言われている注意とも戦える。そういう怖い気持ちでやっぱり勝っていかないと、いいジャンプは跳べないし。「普段は跳べているんだから、ミスの怖さに勝ったら跳べるよ」「いつもと何も違うこともないし、本番になったらちょっと怖くなって、いつもと違う気がするだけだから。ミスをするイメージをしたまま、いってみたら?」って言って。ミスをしないイメージをしていくよりは、ミスをするイメージが来るのを分かっていた方が、怖くはないので、という話をしていました。
―実際、今日はそのイメージで跳ばれたのですか
長岡そうですね。ツイストが終わってから、いつもジャンプのことをすごく考えるんですけど。1回ミスのこと考えて「こういくから…。この前のショート、こういったから…」とか、そういうのを考えて「じゃあ、こういかないように、こうしよう」っていうのをちょっと考えながら。最後まで、トーにかかる瞬間まで、すごく意識をし続けたら、一応降りられたので。ちゃんとアドバイスを生かせたかなと思います。
―ちなみに昨日の公式練習がありましたが、それ以外の時間の過ごし方はどのような感じでしたか
長岡昨日は公式練習が終わってから1回、ホテルに帰ってから、男子のグループから応援しに2人で来ていました。
―刺激を受けましたか
長岡私が「ジャンプ、なんで跳べないんだろう」っていう、次の日だったので。こうしてみんな緊張した中で、グランプリファイナルが懸かった中で、こうやって集中して「すごいな」とあらためて思いました。スケーティングとか表現とか、そういう面でも、いろいろな選手のうまいところとかを見られて、それはすごく刺激になりました。
―2人の間ではそういった相談をしたりなど、以前からよくあったのですか
森口まあまあ、たまに。相談というよりも、そっと言って、そっと話したくらいなので。今回がちゃんと相談っていうのは、多分久々だと思うんですけど。でも普段からそういう話はしているので。
―試合の期間中に相談したことについてはいかがですか
長岡中日があったので、切り替える時間も十分あったと思うので。せっかくだから。最初1人で先に夜ご飯に行っていたので、1人で食べていたんですけど、ボ~ッとして「どうしたらいいんだろうな、なんでだろうな」っていうのを考えていて。もう涙が出てきて…。そうしたらすみくんが来て「一緒に食べよう」ってなって。その時に、私がまた泣いてしまって。そうしたらアドバイスをいろいろしてくれたので、そういう経緯です。
―GP2試合、海外GPが終わり、どういった経験でしたか
森口こうやってトップ選手と戦える機会をいただけるっていうのは、ペア人口が少ない日本人カップルからして、すごく大きいことです。こうやって本当にいい機会をいただいて、すごく熱い気持ちにもなりましたし「自分たちは、まだまだ上にいきたい」っていう気持ちにもなったので。悔しい気持ちもありますし、でも、うれしい気持ちもありますし。こうやっていろいろな気持ちになれたのは、いろいろな方が支えてくださっていると常に感じます。
長岡こうして2大会に出させていただいて、今まで知らなかったペアにも出会えたし、そのペアの「うわっ、こんなにリフトがうまいペアがいたんだ」とか「こんなにすごいリフトができるんだ」とか「こんなにツイストが高い人がいるんだ」とか。いろいろな新しいペアの技術や、いろいろなことを、動画じゃなくて、間近で一緒に練習して見ることができるし、オフアイスでも見ることができたので。いろいろな経験、新しい知見を得られました。こうして自分たちが出たことによって、得られた反省点とか課題だったり「改善できた」「ここは良かった」とか、いろいろなことを2大会で学べました。2大会も出させていただいて、本当にありがたいなと思っています。
―海外GPに出て、6分間や公式練習の時間の使い方などで、考えられたことはありますか
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大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。
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