
【小菊昭雄のC大阪を追う〈2〉】大谷と栗山監督のように、香川も恩師の元で再び輝く
セレッソ大阪の監督、小菊昭雄(47)が3月12日、クラブ史に残る勝利をつかんだ。約12年半ぶりに欧州から戻ってきたMF香川真司(34)が4684日ぶりのゴールを決め、リーグ戦今季初勝利。05年夏から師弟関係を築いてきた小菊にとっては、自らの手腕で弟子を再生させた至福の瞬間だった。プロ選手の経験がない指揮官の挑戦は、まだまだ終わらない。(敬称略)
サッカー
〈プロ選手経験のないJ1指揮官の挑戦〉
プロ経験のない指揮官率いる小菊セレッソの挑戦
開幕4戦目、状態見極め初先発起用で先制弾
C大阪の本拠地ヨドコウ桜スタジアムは、桜の名所で有名な大阪市東住吉区の長居公園内にある。スペイン語で桜を意味する「セレッソ」の開花を目前にした3月12日、クラブ史に残る勝利が刻まれた。
「さすがの一言。テクニックは、やはり真司だなと改めて感じたし、彼のゴールで勝てたのはチームにとっても大きい。チームのかがみとして、すばらしい影響を与えてくれ、そのリーダーシップに感謝しています」
記者会見で小菊は、先制ゴールで勝利に導いた香川に称賛を惜しまなかった。2-1で鳥栖を下す、芸術的な左ボレーだった。
Jリーグでのゴールは10年5月15日神戸戦以来、約12年10カ月(4684日)ぶり。欧州から古巣に復帰し、この日がリーグ戦開幕4試合目だった。小菊が初先発で起用した香川が、即座に結果を出した。
試合後、小菊と短い会話をかわした香川は、その内容について「軽く(話をした)。それは監督との間のことなんで」と内容は明かさなかった。2人にしか共有が許されない感慨が、あったのだろう。
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大阪府池田市生まれ。1991年入社。
93年Jリーグ発足時からサッカー担当で、当時担当していた出世頭は日本代表監督になった広島MF森保一。アジアの大砲こと広島FW高木琢也の当時生まれた長男(利弥)を記者は抱っこしたが、その赤ちゃんがJ3愛媛のDFで今秋30歳に。
96年アトランタ五輪、98年W杯フランス大会などの取材を経て約13年のデスクワークに。19年から再びサッカーの現場へ。
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