【箱根駅伝story】関西の雄、立命館大「出たいの?出たくないの?」決断の裏側

なぜ立命館大は箱根にチャレンジするのか-。関西の雄、立命館大が、全国に門戸が開かれた第100回箱根駅伝に挑みます。他の駅伝に比べて、1区間20キロ以上と圧倒的に距離が長い箱根は、関東以外からの挑戦はハードルが高いとされています。全国の大学に先駆けて、公式HPで挑戦を正式表明した決断の裏側に迫り、今後のチャレンジを追いかけます。

陸上

<全国に門戸、第100回箱根駅伝>

4月20日、練習するキャプテンの北辻(右)

4月20日、練習するキャプテンの北辻(右)

主将の北辻、昨年イブに田中コーチから「考えてきてほしい」

ドッジボールで遊ぶ学生から1枚壁を隔てた部屋の中。赤ジャージーをまとうキャプテンの北辻巴樹(4年)は、ゆっくりと口を開いた。

「箱根に向かっていく大学と勝負できる機会はめったにない。やってやろうじゃないかと思ってます」

柔らかい口調で言い終えると、にこりと笑った。とても穏やかな表情だったが、選んだ言葉からは気持ちの強さもうかがえた。

それは街がにぎわうころ、昨年12月24日のことだった。22年最後の練習を終えた後、長距離パートの田中裕介コーチ(37)から「箱根に挑戦したいのか、(年始の練習日までに)考えてきてほしい」と告げられた。部内では、これが正式に意思を問われた最初の瞬間だった。特別な1年がやってくる-。選手の口元から、もう白い息はもれていなかった。

それからおよそ10日の時がすぎ、年も越した。

年明け最初のミーティング。23年の目標を話し合うと同時に、宿題だった、箱根挑戦への意見を問われた。

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。