【バレー高橋兄弟連載〈3〉】憧れの兄を超える決意、3年後に届いた手紙~塁と藍の物語

高校生になった兄の高橋塁は、厳しい練習に耐えながら夢に向かって歩んでいた。弟の藍は公立中学を3年連続で全国大会に導き、中3になったある日、1枚の手紙を綴る。3年後の自分へ宛てたものだった。憧れの兄に追いつくため、同じ高校に進む道を決断する。(隔週月曜掲載、敬称略)

バレーボール

第4話は7月8日(月)掲載

2024年6月8日、ネーションズリーグ日本対スロベニア第1セット。スパイクを決めガッツポーズする高橋藍(撮影・岩下翔太)

2024年6月8日、ネーションズリーグ日本対スロベニア第1セット。スパイクを決めガッツポーズする高橋藍(撮影・岩下翔太)

中3の藍が書いた手紙
「塁には負けたくない」

「私、それを見た時に、鳥肌が立ちました」-

母はそう話すと、テーブルにあったコーヒーを飲み干した。

弟の藍がまだ中学生だった頃の記憶をたどる。

背の小さな少年は、兄の背中を追い続けていた。

必死にボールを拾い、兄へつなぐ。

そうやって公立中学から全国大会への扉を開き、2人の兄弟は街のちょっとした話題になっていた。

「最初から藍は思っていたみたいなんです。『塁には負けたくない』って。

兄はエース。弟はずっとボールを拾い続けてきましたから。

『僕はいつになったらそっち側(エースの兄)に行けるんかな?』

そんな思いでやっていたことに気づいたんです」

中学3年の時、3年後の自分に宛てた手紙を書いた。

そこにはこう記されてあった。

中学生の頃の高橋藍(左)と兄の塁(中央)

中学生の頃の高橋藍(左)と兄の塁(中央)

本文残り89% (3660文字/4133文字)

スポーツ

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。