【連載1】明治ラグビー奪還へ~3度目のスクラムで流れ引き寄せた重戦車の変化
昨季の全国大学ラグビー、準決勝の再戦が夏の菅平であった。8月22日に明大と京産大が激突。開始から3本目に組んだスクラムで明暗が分かれた。「重戦車FW」は間違いなく進化している。京産大戦リポート、奪還に燃える選手の思い-。明大ラグビーを2回連載する。【第2回は8月31日掲載予定】
ラグビー
明治ラグビー連載〈1〉
明大48-31京産大(8月22日、菅平)
京産大を返り討ち
スクラムの修正力
雲の隙間から晴れ間が見えた。
夕方からは雷雨になるという。
8月22日、アンダーアーマー菅平サニアパーク(旧菅平高原スポーツランド)。
近くにレタス畑が広がるのどかな雰囲気の高原で、注目の対戦があった。
開始から3分ほど。
明大から見れば敵陣深くであったファーストスクラムは、組み直しの末に反則(FK)をとられた。
2度目のスクラムも明大のコラプシング。
そして迎えた前半13分すぎ。敵陣22メートルライン付近のスクラムが、この試合の分岐点となった。
ここまでの3回はいずれも京産大ボール。
相手SHの土永旭(光泉カトリック)が入れた瞬間、明大はフロントロー3人が1つの塊となって一気に押し込んだ。
やや左の1番側が浮き、3番側を軸に低い姿勢で重圧をかけている。
驚いたのは比較的楽にボールをキープできるだろうと、そう勘ぐっていた京産大の方だった。
ターンオーバーすると、明大は左へ展開。
SO伊藤龍之介(2年=国学院栃木)が相手SOとインサイドCTBの間を突き、CTB平翔太(3年=東福岡)とクロスする形でインゴールへ。
最初のトライは京産大の油断、それを見逃さなかった明大の「したたかさ」から生まれたものだった。
1つのほころびは、さらに広がっていく。
その4分後のトライも見事だった。
自陣ゴールラインを背にし、京産大のモールをうまくいなす。分断した密集。
NO8木戸大士郎(4年=常翔学園)がボールに襲いかかり再びターンオーバー。
左展開からWTB安田昂平(4年=御所実)がスピードで振り切って外のFB金昂平(4年=大阪朝鮮)へ。約80メートルを走りきって点差を広げた。
接戦を予想していたファンのどよめき。
前半だけで明大は5トライを浴びせかけ、31-5と大量リード。
後半からは選手を入れ替える余裕すらあった。
明大の強さが際立ったが、今合宿では筑波大、天理大に敗れている。
彼らはどう修正したのか。
選手の証言で見えたことがあった。
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茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。