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日本代表候補選手インタビュー

 若き日本のエースが高さとスピードで世界に挑む。「2メートルを超える選手は走れない」という常識を覆した竹内公輔(21=慶大)。得点とリバウンドの“ダブルダブル”(得点とリバウンドで2桁の数字を記録すること)を目標に掲げ、日本を決勝トーナメントに導く。

全ての試合でダブルダブルを達成したい

笑顔を見せながらインタビューに答える竹内公輔
笑顔を見せながらインタビューに答える竹内公輔

── いよいよ世界選手権の開幕が近づきました。調子はどうですか?

 イランと対戦したキリン杯(7月19日~22日)はディフェンスはよかったのですが、得点が思ったように取れなかったので(3試合で21点)、そのあたりを修正したいと思っています。調子を上げて本番を迎えたいですね。

── キリン杯で思ったように得点が上がらなかったのはなぜですか?

 気持ちがリングに向かっていませんでした。2戦目の前日の練習でボールタッチがよくなかったんです。悪いイメージのまま試合を迎えてしまったのは失敗でしたね。もっと攻め気をもってやっていればよかったと思っています。

── 合宿では対戦相手のビデオを見て研究を重ねているそうですが、各国に対してどういったイメージを持っていますか?

 ドイツとスペインは世界レベルでもトップのチームなので、最初に強いドイツとやって大会の感触をつかめるのは僕的にはよかったと思っています。どのチームに対してもチャレンジャーという気持ちで挑みますが、ドイツとスペインに対しては特にその意識は強いですね。ドイツとはいいゲームをして弾みをつけたいです。

── ニュージーランド、アンゴラ、パナマとの3戦が予選リーグ突破に向けて重要な試合になると思います。それぞれの印象を教えてください。

 昨年のキリン杯で豪州と対戦したのですが、いい試合もあれば、ボコボコにされた試合もありました(3試合行い、65-69、61-77、58-86の3連敗)。ニュージーランドは豪州と同じオセアニアのチームなので似ていると持っています。ただ大陸予選で豪州に負けているので、強いチームという印象はないです。勝てない相手だとは思いません。

 アンゴラの選手は手足も長いし、身体能力も高いと思います。(8月13日にキリンインターナショナル2006で)同じアフリカのセネガルと対戦するので感触をつかんで、本番ではぜひ勝ちたいですね。

 パナマは南米のチームなので身体能力が高くオフェンスもすごいです。でもビデオではディフェンスはあまりしないというイメージがありました。僕たちは守備が持ち味なので、きっちりディフェンスをして相手の攻撃を封じれば、勝てると思います。

リングに届きそうな高さでシュートを放つ竹内公輔
リングに届きそうな高さでシュートを放つ竹内公輔

── ジェリコ・ジャパンでは守備を重要視してこれまでチーム作りを進めてきていると思います。公輔さんが個人的にディフェンス面で意識されていること、監督から指導されていることは何ですか。

 チームとしては、簡単に言うと、相手に70点以上取らせず自分たちが70点以上取るという試合をすることです。相手をリズムに乗せず、常に日本のゲームリズムでできればそういう展開になると思います。自分の役割はリバウンドを取るということですね。もちろん守ってばかりでは勝てないのでオフェンスで点を取ることも課題にしています。僕が点を取ればチームもリズムに乗れると思います。

── 公輔さんは得点とリバウンドの“ダブルダブル”(得点とリバウンドでともに2桁の数字を記録すること)ということを常に意識されているそうですね?

 はい。相手がドイツであろうが、スペインであろうが全ての試合での目標です。特にジェリコ(パブリセビッチ監督)からはリバウンドを期待されてると思うので頑張りたいですね。

── ブロックショット(シュートされたボールが軌道の頂点にたどり着く前に叩き落とすプレー)も得意なプレーですよね?

 世界のトップ選手に対してブロックは難しいと思うので、大会ではフットワークを使ってシュートまで行かせないディフェンスをしたいですね。相手が跳べないようにするディフェンスは昨年の東アジア大会でもやっていて、王治■(元クリッパーズ、身長214センチ)にも通用したので、今回もやりたいと思っています。

── 2メートルを超す身長なのに走れることも武器ですよね。

 バスケにおいて走ることは重要だと思うので、中学、高校から走る練習はずっとやってきました。走力には自信があります。海外の選手に対して、スピードだったりジャンプ力はかなわない部分もあると思いますが、欧州遠征などを通じて厳しいトレーニングを繰り返したことで長時間走り続ける持久力だったら日本は負けないと思います。切り返しの多いバスケットで相手をバテさせれば試合への集中力がなくなってくるはずです。そこが勝負のポイントになると思います。

PFのポジションでは譲治に負けられない

弟の譲治(左)のマークを受けながらもパスを出す竹内公輔
弟の譲治(左)のマークを受けながらもパスを出す竹内公輔

── ところで、バスケットを始めたのはいつですか?

 本格的には中学3年(吹田市佐井寺中)の時です。(双子の)弟の譲治は中1からやってました。中3の時に大阪で3位になり、高校は洛南(京都)に進学しました。その時には、主に僕が5番(センター)譲治が4番(パワーフォワード)でした。

── 譲治さんのことは意識しますか?

 周囲がそういった目で見ますからね。でも自分としてはそんなには意識してないですよ。

── 2人の性格は違いますか?

 自分ではよくわからないですが、周囲の人は僕はマイペースで、譲治は気分屋だと言います。でも仕草とか、細かいところではよく似ているみたいです。中学、高校と一緒にプレーしていて、大学は別々(公輔は慶大、譲治は東海大)になったので、少しは離れられるかなと思いましたが、一緒に代表入りして、頻繁に代表合宿があるので一緒にいることが多いですね(笑い)。

── 代表内での兄弟ののポジション争いもありますよね?

 4番(パワーフォワード)にはプライドを持っているので、そのポジションでは負けられないですね。むこう(譲治)は3番と4番を兼務しているので大変だと思います。状況次第では世界選手権でも3番と4番で2人でコートに立てると思います。

── それにしても双子で代表というのはすごいですね。代表に入って3年目ですが、初めて代表に入った時の感想はどうでしたか?

 大学2年の時に入りましたが、まさか選ばれるとは思ってなくて、代表候補止まりだと思って合宿に参加しました。高校日本代表、U-24日本代表には選ばれていたので、そのうちフル代表にも入れるんじゃないかと期待はしていましたが、まさか大学生で代表になれると思っていませんでした。早かったなーと思います。代表入りは夢だったので、すごくうれしかったですね。

── 初めての代表合宿の時はどうでしたか?

 最初はぜんぜん自分のプレーができませんでした。でもそれが当たり前だと思っていたし、徐々に自分のよさは発揮できると考えていました。現在は「代表でも自分のプレーができる」という自信を持てるようになっています。

── チームでは年齢が下のほうですよね。ベテランの選手の方々からも影響を受ける部分があると思うのですが?

 折茂さんとは欧州遠征の時に部屋が一緒でいろいろなお話をうかがいました。僕に比べてずっといろいろな経験をされているので、ためになることも多かったですね。15歳離れていて、僕が小学校ぐらいの時からトップで活躍されていたので最初は「雲の上の人」といった存在だと思っていました。でも話してみると非常に面白い人で、気軽に話せる人でしたね。このチームはあまり上下関係を気にしなくてもいいメンバーなので気を使わない。それがいいとところです。バスケットのことに関しても遠慮せずいろいろと言い合っているのもいいことだと思います。

── パブリセビッチ監督の印象は?

 いろいろな事に細かくて厳しくて、日本人とは違うなと思いましたね。パスひとつをとっても様々な観点を持っていて、指導も質が高いと感じました。注意されることがいっぱいあります。

── 日本人の指導者はそうではないのですか?

 そこまで細かく指導されたことはなかったですね。僕には(パブリセビッチ監督の指導は)合っていると思います。チームとしても日本人が、米国人のような能力を活かしたバスケットで世界と勝負するというのは無理だと思うので、ヨーロッパの国のように組織力を活かしたバスケットをする必要がある。そういう意味でもパブリセビッチ監督のバスケットは日本には合っていると思います。

走れるプレーを見てほしい

応援メッセージの書かれた日の丸の前でインタビューに答える竹内公
応援メッセージの書かれた日の丸の前でインタビューに答える竹内公

── それでは世界選手権に挑む意気込みを教えてください。

 高校の時は、06年の世界選手権にまさか自分が出場できるなんて思ってもいませんでした。当時は住んでいるところからは遠いところでやる大会という意識があって、観戦に行く気もなかったですね。

── 今は出場する立場になりましたね。

 はい。とにかく今大会では結果を残したいと思っています。そうすることでバスケットが面白いスポーツだと思ってもらえると思いますから。僕の走れるプレーも見てほしいですね。

── ノビツキー(ドイツ)との対戦も楽しみですね。

 はい。NBAでもトップの選手。セブンフッター(210センチを超える身長)であれだけシュートがうまくてパスができる。それだけですごいと思う。そんな選手と対戦できるなんてめったにないことなので、とても楽しみです。

── 世界選手権次第で、大学卒業後の進路の選択の幅も増えるかもしれませんね

 就職に関しては、いろいろなお話はいただいているのですがまだ決めていないです。世界選手権が終わるまでは進路は考えないようにしています。もしかしたら世界選手権の活躍によっては海外という選択肢も増えるかもしれない。あせらず決めたいですね。

※■は至におおざと



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